労働力調査が示す若者の「人手不足」 飲食業や建設業以外にも広がる恐れ
雇用条件の改善も重要
しかしながら問題は雇用条件です。雇用形態別でみると、男性の正規職員数は前年と比べて7万人減っています(ただし若者だけの統計ではない)。一方で非正規(パートや契約社員)は13万人増加です。すなわち、このような人手不足にもかかわらず、雇用条件は平均的には改善していません。 雇用というと、最近は賃金が注目されがちです。たしかに雇用環境の改善(人手不足)で最低賃金のようなものは上昇するかもしれません。けれども、最低賃金の上昇は必ずしも若者にとって安心の変化とはいえないので、賃金だけではない広い意味での雇用条件の改善が重要でしょう。 その点では、製造業の就業者が増加しつつあるのには少し希望が持てるのですが、先行きはわかりません。 企業は様々な高コストに直面していて、人手不足でも非正規雇用に頼るざるを得ない状況なのではないかと思います。私は雇用制度改革のほかにも、法人税減税、エネルギー問題の解消、企業の社会保障負担軽減、自由貿易TPPなど、政策的に企業のコストを低下させるような方法があると考えています。