【阪神】大山選手1軍昇格のタイミングは「本人の意思を尊重してもらいたい」 満塁HR前川選手は「その後の打席をもっと大切にしないとレギュラーにはなれない」 掛布雅之氏が解説
「大山が『4番に戻れます』と自分で言うまで待ってあげてほしい」
―――大山選手は現在2軍ですが、これについてはいかがですか? 「これはね、本人の意思を尊重してもらいたいんです。上の状態で大山を佐藤のように引き上げるのではなくて、大山自身がファームでじっくりと野球をやって、気持ちも体も自分なりに“これだったら1軍で戦える状態だ”というところまで待ってあげてほしいんですよ。焦って上げてしまうと、大山を2軍に落とした意味がなくなります。大山自身が『もう大丈夫です』と、もう退路を断つような形の大山で戻ってくれば、4番に戻して開幕オーダーに近い状態で戦う形というものができてくると思いますので、大山の意思を尊重してもらいたい」 ―――やはり4番というものはすごくプレッシャーがあるものなんですね? 「1番バッターの場合、例えば4回打席に立って2本ヒットを打ち、フォアボールを1つ選んだとします。3回出塁となるので、2アウト満塁で打てなかったとしても1番としてはいい数字なんですよ。4番というのは、2本ヒット打ち、フォアボールを1つ選ぶ成績を残しても、2アウト満塁で三振をしたら、この1打席をあれこれ言われるわけです。これが1番と4番の大きな差なんです。そういう意味では4番を任せられるのはやはり大山しかいないと思います。1軍に上がってくるまで佐藤でも構わないと思うんですが、大山が『4番に戻れます』と自分で言うまで待ってあげてほしいなと。これが連覇の鍵だと思います」
「1番・2番・4番の固定が打線の大きなポイントに」
―――交流戦後に再開されるリーグ戦、そのポイントは『打順の固定』、キーマンは『小幡竜平選手』ということですね? 「近本(光司選手)の4番というのは機能しませんでした。他の5球団が一番嫌なのは、やはり近本・中野(拓夢選手)の1・2番だと思うんですよ。まずこの形を崩さないということと、大山が4番に戻れますって言ったら大山をまず固定することですね。1・2・4の固定ができれば、あとはいろいろ変えても打線のつながりが出てくると思います。1番・2番・4番の固定というものが打線の大きなポイントになると思います。それともう1つ、木浪(聖也選手)がデッドボールで骨折しましたので、たぶん1か月ぐらい時間はかかると思うんですよ。その間、小幡はチャンスなわけですよ。小幡がどういう野球をやるか。阪神は8番が出塁して1番の近本が返すという得点パターンがありますから、小幡も鍵を握ると思いますね」 ―――ちなみに、勝負強く思い切りがいい打撃が魅力の森下翔太選手は、掛布さんのバッティングの形を理想としているということですが? 「1つ森下に注文したいのは、低いボールに対して後ろの肩が下がって入るのは当然なんですが、打った後に少し体をレベルに戻すようなイメージで振った方がボールって上がってくれるんですよ。森下の場合はちょっと後ろの肩が下がったまま回っていく傾向があるんですよ。高めのボールが来たときは後ろの肩は当然下がらずに入っていくわけですよね。ボールの高さによって肩をレベルに使っていく、それがレベルスイングなんですよ。下がるのが悪いとかではなくて、ボールに対して肩をレベルに使えと。打った後はもう1回最後、レベルに正面を向くようなイメージで戻すと、ボールにいいスピンがかかって、もっと簡単にボールに角度がつきます」 (2024年6月17日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)