ドジャース・大谷翔平が大ブーイングの中で7号 因縁のトロントであいさつ弾
【トロント(カナダ)26日(日本時間27日)=竹濱江利子通信員】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(29)がブルージェイズ戦に「2番・DH」で出場し、一回に7号右越えソロを放ち、4打数1安打1打点、1四球だった。フリーエージェント(FA)だったオフには、移籍先の最終候補に残っていた球団。トロントに移動し、合意間近と誤報が流れるなど騒動のあった〝因縁の地〟で5連勝に貢献した。チームは19安打の猛攻で12-2と大勝した。 【写真】YOSHIKIの自撮りにおさまるドジャースの大谷翔平、山本由伸 穏やかで暖かいといわれるカナダのファンが、大ブーイングで大谷を迎えた。エンゼルス時代にはア・リーグMVP(最優秀選手)のスターに大きな歓声を送ってきたトロントの人々。FA移籍で強豪ドジャースを選んだライバルを手荒く〝歓迎〟した。 「びっくりはしなかった。自分のチームを好きだからこそブーイングする。そういう熱量はブルージェイズのファンでも野球が好きなんだと逆にリスペクトを感じる」 敵地ロジャースセンターには3万9688人の大観衆。開閉式ドームの屋根は閉じ、ファンの声は大きく反響した。一回1死。大谷は3年連続2桁勝利の右腕、バジットの内角スライダーをやや詰まりながら、右翼へオーバーフェンスさせた。騒然とした場内に歓声が入り交じった。 打席に立った5度は、いずれも大ブーイング。トロントのファンとしては〝因縁〟がある。FAでドジャース入団を決断する前の昨年12月8日。一部の米メディアが「大谷がトロントに向かっている」とX(旧ツイッター)に投稿したことから、ブルージェイズ入りか?!と騒動に発展した。後に大谷は自宅に滞在しており、誤報だった経緯がある。大谷は意図せずとも〝思わせぶり〟を食らったトロントのファンは、無念の思いをブーイングに乗せた。 「今日も満員に近いお客さんが入っていて選手冥利に尽きる。やっぱり多くのファンの前でやるのはすごく自分的にもエキサイティングする」 3試合ぶりの一発は7号先制ソロ。ベンチでは仲間たちからも祝福に変えたブーイングの〝イジリ〟を受け、笑顔が弾けた。これが着火点となり、19安打12得点の大勝。遠征での9連戦は4連勝。前カードからは5連勝で貯金6とし、ナ・リーグ西地区で早くも首位固めに入りつつある。