【2024ふくしま衆院選】直前情勢 福島県内選挙区 新4区 自民、相双で組織固め 立民、労組と関係強化
いわき市に生まれ育ち、今は富岡町に自宅と会社を構える。政治家経験はないが、エネルギー関連会社の経営で築いた人脈がある。連携する国民民主、社民両党、無所属議員や連合福島の支援を受け、いわきと富岡の「二つの地元」で足場を固めたい。「政治とカネ」に厳しい目を向ける世論を追い風に浮動票獲得を狙う。 浜通り北部での知名度向上を重視するのは自民と同じだ。立民の県連幹部が現地に入り、組織づくりを直接指揮する。旧1区の現職金子恵美(59)を支えた野党系市議らを中心に支持を広げていきたい考えだ。5日の会合は会場を浜通りの中間に当たる大熊町にし、南部と北部の一体感の醸成にも心を配る。 新4区選対本部長の県議の古市三久は「街頭演説など露出を増やし、斎藤が掲げる政策や理念への理解を広げていく」と強調した。 一方で、前回衆院選での野党間の候補者調整がいまだ尾を引いているとの指摘がある。いわき市を核とする旧5区は共産党との協議の末、立民が候補者を取り下げた。立民と連合系労組との間に「しこり」が生まれ、いわき地区連合会の関係者は「前回のやり方に不満を持つ人は多い」とこぼす。労組との協調をいかに構築するか。陣営は腐心する。
◇ ◇ 共産党の新人熊谷智(44)は5日、いわき市で支持を訴えた。前回衆院選は県内で共産初の野党統一候補として戦った。知名度を生かし、「原発ゼロ」と労働環境の改善を訴え、自民党政治からの転換を目指す。 15日公示、27日投開票で行われる見込みの衆院選は、県内の選挙区割りがこれまでと大きく変わる。ベテラン現職の引退もあり、立候補予定者は手探りでの選挙戦に臨む。各選挙区の情勢を追った。 ◆旧5区の前回得票結果 自民・吉野正芳 93,325 共産・熊谷智 55,619 ◆旧1区の前回得票結果 (相馬市、南相馬市、相馬郡分) 自民・亀岡偉民 28,439 立民・金子恵美 27,658