【オーストラリア】豪機構と長岡技科大、原子炉修復技術を開発
オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)は20日までに、長岡技術科学大学(新潟県長岡市)と共同で原子炉用の自己修復セラミックスの開発を進めていると発表した。 2011年の東京電力福島第1原子力発電所の事故では、炉心損傷に伴う高温下で燃料被覆管の金属(ジルコニウム)と水蒸気が反応して大量の水素が発生し、蒸気とともに格納容器内に放出され、結果的に水素爆発につながったとされる。 ANSTOの原子力技術グループは、燃料被覆管の温度が高くなり過ぎた場合に大量の水素が放出されるのを防ぐため、金属の代わりにセラミックスを材料として使用する燃料被覆管のコーティング技術の開発に取り組んでいる。 ANSTOと長岡技術科学大学は過去20年以上にわたって関連技術の共同研究を続けており、自己修復セラミックスの開発にはオーストラリア・ニューサウスウェールズ州のウーロンゴン大学や福島工業高等専門学校、CLADS(廃炉環境国際共同研究センター)を含む日本原子力研究開発機構も協力している。 開発された技術は、原子力発電所がより高い安全性で操業できることを保証するだけでなく、太陽光発電によるエネルギー貯蔵システムなど、オーストラリアの既存の産業にも応用できる可能性があるという。