今、求められる従業員の幸福を推進する「CHO(最高幸福責任者)」
職場での幸福度を高めるために従業員ができること
CHOは、簡単な調査やステイインタビュー(離職を防ぐために問題などを探り出す面談)を実施したり、少人数での話し合いを行ったりして、従業員の考えをあぶり出す。そうやって得られた情報を生かして新たな方針や手順を策定することで、従業員の意欲を高めることができる。 職場の幸福を推進する存在であるCHOは、企業文化として、帰属意識や透明性、心理的な安全性、ソーシャル・レコグニション(従業員たちが承認し合う仕組み)などを提供しなくてはならない。 従業員がやる気を持てるようにするには、他社に負けない報酬や、自分に求められていることや目標が明確であること、メンターから支援や助言を受けたり、キャリアアップしたりできるチャンスなどが必要だ。 とはいえ、誰もが同じことを求めているわけではない。CHOに欠かせないのは、各従業員のニーズに応じて個別に支援することだ。信頼でき、共感力のあるリーダーであれば、従業員が柔軟に働ける仕組みをつくり、働く場所や時間、働き方を選べるようにして、各々が最大限の実力を発揮できるよう計らうだろう。 ■職場での幸福度を高めるために従業員ができること 職場での幸福度を高めるために、企業はCHOという専門職を設けることができるが、従業員側にも、職場での日々を、より幸せで充実したものにし、全般的なウェルビーイング、エンゲージメント、生産性を高めるためにできることがある。 ●幸せな職場をつくるための個人の戦略 ・仕事に意義を見いだし、より大きな目的のために働く方法を見つけよう。そうすれば、達成感と幸福感が得られる ・生活の質(QOL)を高められるよう、公私をきっぱり分けよう ・過去や将来をあれこれ考えず、目の前のことに集中するようにして、日常業務を行うなかで幸福感を得られるよう習慣づけよう ・幸せな気持ちで働くために、付き合う人に注意しよう。ネガティブで他人を見下し、噂や悪口を喜んで広めるような人との付き合いは避けよう ・仕事で何かを達成したり節目を迎えたりしたときは、祝福しよう ・価値観や興味関心が似通った同僚と親しく付き合い、好ましい職場環境を育もう ・業務時間中に休憩を挟み、深呼吸をして、充電を心がけよう ・気分が上向くような行動を心がけ、散歩やメディテーション(瞑想)をしたり、同僚と笑い合ったり、肯定的なやりとりを交わしたりしよう
Jack Kelly