福井は幸福度1位と聞いていたが…大阪から引っ越してきた大学生の正直な実感【学生コラム】
福井県の公式ホームページによると、「全47都道府県幸福度ランキング2022年版」において、福井県は総合1位。しかも、これまでに5回獲得している。ただ、大阪府から移住してきた私からするとどうしてなのかわからないというのが正直な意見である。 というのも、福井県は電車の本数が少ないことにより直ぐに電車がこないという状況が多々あることや、バスも本数が少ないのに加えて、バス停間の距離が長いため、そこまで行くのにも一苦労といったことが起こりやすい。私も、よく福井駅に出たりするのにバスや電車を利用することがあるが、なかなかこない。 周囲の人にそのことを伝えても「仕方ないから早く車を買いな」と言われてしまう。そのため、移動には大体自家用車が必要となる。また、大きい商業施設に出るまでは、雑貨を揃えたり、娯楽を楽しむ場所も殆どない。私は福井県に来て不便すぎて、まず満足に暮らしていけるのか不安であったし、こちらの生活に慣れるまで時間がかかった。 外食をするときも大阪府であれば少し歩けば何件も飲食店が立ち並んでいるが、福井県だと車で飲食店がある場所まで出ないといけない。そのため、交通の便が良かったり、商業施設が多いため家の近くで何でも揃えることが出来るという点や、飲食店が多いといった点でも、暮らしやすさにおいては大阪府に軍配が挙がるのではないだろうか。では、何が福井県を日本一の幸福度へと導いているのだろうか。 調べてみると理由は何個かあったのだが、福井を1位に導いている要因として最も大きいのは、教育や子育てするためのサービスや施設が充実している点であると考える。他の理由として、雇用環境がよかったり、歴史や文化が豊かであるなどがあったが、雇用環境が良いとはいえど、失業率が低いというものであったり、歴史や文化が豊かであろうが正直どうでもいい。 しかし、結婚して子どもがいる家庭にとって、子どもの将来性や子育てのしやすさは非常に重要であると言えるだろう。私の周りには子どもを育てている家庭が複数あるのだが、やはり自分で子どもを育てるとなると、手が回らないことや、働いている間にどこかに預けたいという家庭は多いのが現状である。 保育所などの託児所は人数いっぱいで申請を出しても子どもを預けることの出来ない待機児童がいたり、公共機関の子育てに対してのサービスが少なかったりと、子育てにおける悩みは自分の子が大切であるがゆえ、親にとっては非常に大きなものとなる。だから、子育てをしている親にとって、安心して子どもを育てられるということはとても嬉しいものであると同時に、考えることが減るため子育てのストレス等も軽減できるのではないだろうか。 なので、さきほど不満を言った交通の便などの悪さよりも、共働きに優しい子育てや教育サービスの充実は幸福度1位といっても納得できるものであろう。まあ我々のような、子持ちでない学生には関係のない話ではあるのだが。 × × × 福井県立大学の講義「福井の文化と社会」を受講した大学生たちがコラム執筆に取り組みました。今回のコラムは、その中から厳選した作品を掲載しています。