何度も怒られた清水邦広「でも、永野さんは愛がある」“空気をピリッとさせるリベロ”永野健38歳が男子バレー界に残したもの「絶対メダル獲れる」
ごった返す、という表現がまさにふさわしい。 5月7日、大型連休が明けた翌日にナショナルトレーニングセンターで行われたバレーボール男子日本代表のキックオフ記者会見には、多くの記者が集まった。選手が入場するたびにシャッター音が響き、これまでは秩序が保たれてきたフォトセッションもスチールカメラとテレビカメラが入り混じってひしめき合う。 【画像】「めっちゃ若い!」“みんな大好き永野さん”16年前のカワイイ新人時代、清水&福澤との懐かしショット、次世代エースだった石川祐希の姿も(貴重写真) その前日、連休最終日の大阪で、ある一人の選手が現役生活に別れを告げた。 パナソニックパンサーズの永野健(たけし)。38歳。 2009年に日本代表に初選出されてから、リベロとして世界選手権、ワールドカップなど多くの国際大会に出場。2016年リオデジャネイロ五輪最終予選まで、長きに渡り日本の守護神としてコートに立ち続けてきた。
元日本代表リベロの引退
永野の現役引退が発表されたのは、今シーズンを締めくくる黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会を2日後に控えた4月29日だった。多くの選手が寂しさや感謝、それぞれが抱いていた憧れの思いをSNSに記す中、永野自身「まだ実感が湧かない」と最後の大会に臨んだ。結果は惜しくも準優勝。現役ラストマッチはフルセットでの惜敗だっただけに「疲れた」と笑ったが、「勝ちたかった」と悔しさを滲ませながら17年間を振り返った。 「あっちゅう間でしたよ。(パナソニックに加入して)2年目から日本代表に選ばれて、しんどい時もたくさんあったし、結果が出なくて、オリンピックにも出られなかったですけどね。でも、だからといってそれが汚点だとは思わない。僕は、やれることはやりきりました」 38歳という年齢を考えれば、現役引退も特筆すべきことではないかもしれない。だが、永野の存在は日本男子バレーボール界に不可欠だった。いや、“だった”と過去形で断定するのもきっと間違いだ。 そう確信したのは、パナソニックと日本代表で永野と長年プレーしてきたミドルブロッカー山内晶大(30歳)の言葉を聞いた時だった。パリ五輪の出場権を獲得し、「今の日本代表は良い状態だからこそ……」と、山内は真面目な顔でこう言った。 「結果も出て、雰囲気も良い。でも、もうちょっとビシッとする要素というか、ピリッとさせる存在が必要で、それができるのが僕は永野さんしかいないと思うんです。選手としてじゃなく、コーチとしてでもいい。永野さんが必要なんですよ」 現役引退を決意した守護神を、今もなお「必要」と求める理由――。 チームのために。勝利のために。嫌われることを厭わず、すべてを尽くしてきた姿に、多くの選手が突き動かされてきた。
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