デビューから7年経ってもオシャレすぎる レンジローバー・ヴェラール 2024年モデルへ試乗
ブランドのオシャレを牽引していた存在
「レンジローバー第4のモデル」という肩書を引っ提げたレンジローバー・ヴェラールだが、最初に見たときは、いまひとつ腑に落ちなかった。 【写真】ランドローバー・レンジローバー・ヴェラール試乗の様子を見る (37枚) ブランドに抱いているイメージ次第なのかもしれないが「オシャレすぎやしないか?」と感じたのである。 デザイナーが掲げたリダクショニズム=還元主義という考え方はよくわかる。代替わりのたびに若干ゴテゴテとしてきていた造形の数々を、いったん原初のシンプルなものに戻そうという試み。それは用が済むとサッとボディに収納され、ボディと面イチのフラッシュサーフェイスを作り出すドアハンドルからも伺える。 だがレンジローバーの父であるチャールズ・スペンサー・キングは「分厚いグローブをしている手でも扱えるドアハンドル」を標榜し、フラッシュサーフェイスはジャングルのような場所を走破する際に引っ掛かることがないように、という考え方だったはず……。 とはいえ本家のレンジローバーを振り返ってみれば、ヴェラールがデビューした当時の4代目は、すでに充分オシャレなものになっていたし、現行の5代目はいよいよスーパープレミアムなスタイリングを纏っている。 というか、ヴェラールによく似ている? 今となっては、ヴェラールはレンジローバー・ブランドの行く末を予告していたとも捉えられる。そんなオシャレ番長の2024モデルに試乗した。 今回は内外装に変更を受けているというが、その仕上がりはどうか?
見た目、中身とも正常進化したMY2024
レンジローバー・ヴェラールの2024モデルのトピックはPHEVモデルがラインナップされたこと。2Lの4気筒ガソリン・ターボ+モーターにより、最大64kmのEV走行が可能なPHEVが追加されたのだ。 だが今回試乗した個体はダイナミックHSE(最上級グレード)のD200。2L 4気筒ディーゼル・ターボのマイルドハイブリッドモデルである。 外装に関しては既存のモデルと並べたら一目瞭然なのかもしれないが、これといった違いを見つけられなかった。実際はグリル/ヘッドライト/バンパー、つまり顔がほぼ全て変わっている。となればリアも同様である。 内装の変化の方がわかりやすい。これまではダッシュ中央に上下2枚のパネルが仕込まれていたが、それが大型(11.4インチ)の1枚ものに変わり、フローティングマウントされている。 というと聞こえはいいが、センターコンソールを見比べると、前の方がずいぶんコストが掛かっていたように見える。デザイナーが目指したのは例によってリダクショニズムだと思うので、整合性は高いわけだが。 走りはじめて最初に感じたのはエンジンが静かになっている、ということ。ノイズも小さくなっているが、全体的に気配が薄くなっている。 デビュー当時「荒い」と感じたインジニウム4気筒ディーゼルの躾けがリファインされたのか? それとも防音材の量を増やしたのか? ロードノイズも減っているように感じたので後者が正解なのかもしれない。ともあれ4気筒ディーゼルでもヴェラールの世界観が損なわれなくなったのは朗報だろう。