<国会用語>秘密保護法案で強行採決 質疑打ち切り「動議」って何?
特定秘密保護法案が衆議院で強行採決され、法案に反対する野党などが批判しています。26日の衆議院国家安全保障特別委員会では、与党側が質疑を打ち切る動議を提出し、採決を強行しました。この「動議」とは、いったいどのようなものなのでしょう。
今回出された動議はどういう内容?
動議とは議員の意思表明のようなものもので、内容は、法律案や予算案、内閣不信任決議などの決議案のような議案「以外」です。議案の発議には一定の手続きが必要ですが、動議は議員が比較的自由に出すことができます。通常の採決と同じく、過半数の賛同者がいれば可決されます。 今回、自民議員が提出した動議は厳密には「法案の質疑を終局し、討論を省略してただちに採決する」ことを求めるもの。いわゆる議事進行に関わる動議で、委員長に対して提出します(この場合は国家安全保障特別委員会の委員長、つまり額賀福志郎委員長)。ただ、このような動議が出されたら必ず採決しなければいけないわけではなく、取り扱いは委員長の判断に委ねられます。採決にかけてもいいし、採決しないで質疑を続行してもいいのです。
動議にはいろいろな内容がある
動議には、このように議事進行や議事日程に関するものもあれば、法律案などの「議案修正の動議」、「予算修正の動議」、「憲法改正原案修正の動議」、「議員懲罰の動議」などがあります。 よくテレビの国会中継で、議員が突然「ぎちょーーーーーー」と叫ぶシーンが見られますが、これも議事進行に関する動議(例えば、施政方針演説に対する代表質問は翌日にしましょう、のような内容)を議長に口頭で提出しているのです。ちなみに、このような議員を「議事進行係」と言いますが、こうした発言は現在は衆議院本会議のみの慣例的なもので、委員会ではこのような発言は行われません。
優先的に扱われる動議は?
基本的に口頭で行われる動議ですが、法律案の修正など文書が必要なものについては書面で提出されます。また、会議や委員会の休憩、散会のような議事日程に関するものや、議長や委員長の不信任動議のような身分に関わるものは優先的に対応することになります。