イスラエル、UNRWAとの関係解消を国連に正式通告
[エルサレム 4日 ロイター] - イスラエル外務省は4日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)との関係を1967年以来定めてきた協定の取り消しを国連に正式に通告したことを明らかにした。 イスラエルの議会は先月、UNRWAの国内での活動を禁止する法案を賛成多数で可決。西側諸国からはパレスチナ自治区ガザの深刻な人道状況がさらに悪化すると懸念が高まっている。 イスラエルは2023年10月7日のイスラエル南部への攻撃に職員の一部が関与したことや、イスラム組織ハマスのメンバーとなっている職員がいたことをなどを理由に、UNRWAを強く批判してきた。 イスラエルのダノン国連大使は声明文で「ハマスがいかにUNRWAに浸透しているかを示す圧倒的な証拠を提出したにもかかわらず、国連はこの現実に何も対処しなかった」と述べた。 イスラエル外務省は、他の国際組織による活動を拡大すると強調。「UNRWAとの関係を終わらせ、UNRWAに代わるものを後押しする準備がなされる」とした。 イスラエルのネタニヤフ首相は、UNRWAがパレスチナ問題を永続化させようとしているとして、同機関の閉鎖を要請。カッツ外相は「ハマス構成員がUNRWAに雇用され、UNRWAの施設がテロ目的で使用されているとことを示す多数の証拠を国連に提示したにもかかわらず、何の対応もなされなかった」と述べた。 ガザ地区とヨルダン川西岸地区はイスラエルの占領下にあるものの、国際法上はイスラエル国外と見なされるため、イスラエル議会で可決された法案は、両地区でのUNRWAの活動を直接的に違法とするものではない。ただ、UNRWAの活動に深刻な影響が及ぶと予想されている。 UNRWAのジュリエット・トウマ報道官は、現時点でガザ地区とヨルダン川西岸地区での支援活動に影響は出ていないとしながらも、「時間との戦い」になると指摘。国連加盟国にイスラエルに同法の施行を思いとどまらせる責務があると語った。