<杉田智和>「鬼滅の刃」 岩柱・悲鳴嶼行冥は「不変であり不動」 鬼殺隊が踏みしめる“大地”に
◇“不動”の悲鳴嶼を表現
悲鳴嶼は、人を憐(あわ)れむ気持ちが強く、念仏を唱え涙するキャラクターだ。第1話の柱合会議で、水柱の冨岡義勇が「俺には関係ない」と退席を申し出て、柱がもめそうになった際は、パンと手をたたいて一喝し、場を収めた姿も印象的だった。杉田さんは悲鳴嶼を演じる上で“信頼感”を大切にしていると語る。
「不安に思っていること、焦っているということを人に悟られないようにすることを心掛けて収録に臨んでいます。柱が集まった時に誰がまとめる?となった時には、自然と悲鳴嶼さんになる。全体を見渡して、会議に参加しない者を真っ向から否定するのではなくて、君の考えも分かると。その上でみんなをまとめることが自然にできるから、悲鳴嶼さんがあの場にいたのかなと。演じる人間としてもそれくらいの信頼がないといけないなと思っています」
悲鳴嶼は、「竈門炭治郎 立志編」の柱合会議前の裁判のシーンにも登場した。当時から演技に変化はあったのだろうか。
「悲鳴嶼さんは不変であり、構え続けていて、何があっても不動の心で受け止められるキャラクター。それらを考えるのであれば、“変化しないこと”が大事かと思って収録に臨みました。でも、状況や、戦う相手側、周りの仲間たちは変化しているとは思うので、それをいかに受け入れるか。地に足をつけないとなかなか歩むことはできないので、みんなが踏みしめる大地が悲鳴嶼さんである、という立ち位置に居続けたいと思っております」
柱の中でも中心とも言える悲鳴嶼。杉田さんは「悲鳴嶼さんって、もし鬼殺隊のみんなで打ち上げをするとなったら、店の予約をするだろうなと。でも、本人は打ち上げに参加しない」と悲鳴嶼の魅力を独特に表現する。
第6話では、炭治郎ら隊士たちが悲鳴嶼の厳しい稽古を受ける様子が描かれた。嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)は、悲鳴嶼について「鬼殺隊最強だ」とその強さを感じ取り、炭治郎は隊士に稽古をつけるかたわら、自身も大岩を押す訓練をしている悲鳴嶼を見て「すごいなぁ」「俺もあんなふうになれるかなぁ!!」と感激していた。