タチが悪い…〈マッチング相手が詐欺師だった〉被害事例も。実に巧妙「国際ロマンス詐欺」の手口【元刑事が解説】
防止策
【相手の写真やアドレスをネットで検索する】 一般的に詐欺師は、外国人の美男・美女の顔写真をプロフィールに掲載しています。しかし、その写真は偽物であり、ネットで拾った他人の写真です。ターゲットに恋愛感情を抱かせるために、美男・美女の顔写真を無断で転載しているのです。ネットの画像検索で調べれば、まったく別人の顔写真であることが判明することもあります。 また、相手のアドレスなどの情報をネットで検索すれば、「詐欺師」であることが判明することもありますし、既に騙された人が注意を呼びかけて投稿している場合もあります。 まずは、可能な限り相手の情報をネット検索して正体を探ることが重要です。 【会ったことがない相手に送金をしない】 ネットで他人と交流する場合には、「会ったことがない相手に送金はしない」と決めておいたほうが良いです。 冷静に考えれば、まだ会ってもいない相手から多額のお金を要求されることが、いかに怪しいことであるかがわかるはずです。 これはどんな詐欺でも言えることですが、会う前でも後でも相手から「お金の話」が出てきたら「詐欺」を疑わないといけません。 【送金する前に第三者に相談する】 恋愛感情になってしまうとまさに「恋は盲目」です。心を奪われているため正常な判断が難しくなってきます。 そこで、多額のお金を送金する前に家族や友人などに相談してみましょう。相談者は「信頼できる人」がベストです。恋愛感情になってしまった以上、信頼できる人でないと素直に意見を受け入れられないからです。 そして「それはおかしい」「詐欺かもしれない」といった冷静なアドバイスを受けたら、いったん送金はやめます。時間をおいて冷静に考えれば、詐欺ということに気づくことができると思います。 森 透匡(もり ゆきまさ) 一般社団法人日本刑事技術協会 代表理事 国税庁税務大学校、財務省税関研修所 研修講師 経営者の「人の悩み」解決コンサルタント 警察の元警部。詐欺、横領、贈収賄事件等を扱う知能・経済犯担当の刑事を約20年経験。東日本大震災を契機に独立し、刑事が職務上体得したスキル、知識を用いてビジネスの発展と社会生活の向上に寄与することを目的とし、一般社団法人日本刑事技術協会を設立。現在は代表理事として「ウソや人間心理の見抜き方」を主なテーマに大手企業、経営者団体など毎年全国180ヵ所以上で講演・企業研修を行う。マッチングアプリ大手運営会社の詐欺防止に関わる有識者会議委員、『高齢者を身近な危険から守る本』(池田書店)の監修など、幅広く活動している。 TBS「ビビット」、日本テレビ「月曜から夜ふかし」、読売新聞、日経新聞などメディアへの出演、掲載も多数。著書に『元知能犯担当刑事が教える ウソや隠し事を暴く全技術』(日本実業出版社)、『刑事(デカ)メンタル』(ダイヤモンド社)など。
森 透匡