米当局は6月にも0.5ポイント利下げ、大統領選前に行動-ステートS
(ブルームバーグ): ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは、最近の市場コンセンサスのタカ派的なシフトに逆らい、米連邦準備制度が早ければ6月にも0.5ポイントの利下げに踏み切るとみている。
11月の米大統領選挙を控え、米当局が金融緩和を前倒しすると同社は考えている。年内の利下げは合計1.5ポイントと予想、これは現在の市場が織り込んでいる利下げ幅の2.5倍に相当する。
5日に発表された雇用統計をはじめとする一連の堅調な米経済指標と、利下げは必要ないかもしれないとの当局者のコメントが、緩和期待の見直しを促し米国債利回りを4カ月ぶり高水準まで押し上げている。
しかし、ステート・ストリートはクレジットカードの延滞率や中小企業の信用コストなどの指標が年内の景気悪化を示唆しており、経済は見かけほど強くないとの見方を維持している。
最高投資責任者(CIO)のローリ・ハイネル氏はインタビューで「市場はより大きな利下げの可能性を軽視している。表面的には経済が引き続き底堅いように見えるが、これはまだ非常に脆弱(ぜいじゃく)な回復であることを示唆するものが多い」と語った。
ハイネル氏は、3%近くまで低下したインフレ率と、これほどの高い政策金利は相いれないと主張する。また、11月の米大統領選が市場の見込みよりも大きな1回の利下げ幅を当局に促すとみる。
「この先の時間的な圧迫がある。連邦準備制度は政治には関与しないと言うだろうが、多くの監視の目が向けられるであろう選挙の直前や直後の時期に、行動することは望まないだろう」とハイネル氏は述べた。
ステート・ストリートは見通しを堅持しているが、他の市場参加者の意見は大きく揺れ動いている。昨年10月の時点でも同社は、金利が長く高止まりするとのコンセンサスに反し利下げを予想していた。その後、ほとんどの投資家が大幅な利下げを見込むようになったが、最近はまた利下げ見通しが後退している。