高齢者の困りごとを高齢者が解決…シルバー人材センターとは違うもう一つの形「労働者協同組合」働く高齢者には地域での役割生まれ介護予防につながるメリットも
信越放送
地域の高齢者の困りごとを解決するための組織を作ったのは、高齢者でした。 介護保険制度など既存のものだけでは難しい支援を担う新たな選択肢として注目を集めています。 【写真を見る】高齢者の困りごとを高齢者が解決…シルバー人材センターとは違うもう一つの形「労働者協同組合」働く高齢者には地域での役割生まれ介護予防につながるメリットも 「あの人は農業と植木のことについてはプロですよ」 「そんなこと言われるとちょっと困るね」 高齢者の女性から、入院中のため自宅の庭木の手入れをしてほしいと頼まれ、この日作業にあたっていたのは労働者協同組合上田のメンバーです。 2023年3月に上田市を拠点に設立され、家の修繕や草刈り、雪かきなど高齢者の困りごとの解決を仕事にしています。 15人のメンバーのうち11人が65歳以上と、実は支える側もほとんどが高齢者です。 北澤さん: 「成長点のこのところをですね押さえると枝がまとまるんだよね」 「労協うえだ」を作ったのは77歳の北澤隆雄さん。 メンバーの中で最年長のひとりです。 63歳の時、経営していた広告業の会社を人に譲り、一度は引退を決意しました。 しかし、日常に張り合いが感じられず、病院の送迎の仕事につきましたが、70歳で定年を迎えると、その後、やりがいを感じられる仕事は見つけられなかったといいます。 北澤さん: 「定年してみると意外に先長いんですよね。100歳だと30年もあるんですよ。ただ主体的に働く働き方っていうのはないんですね。ですから一定程度元気な高齢者は、もっと地域で活躍できる仕組み、地域の担い手になるような、そんな働き方をできたらいいなと」 転機となったのは2022年の労働者協同組合法の施行です。 働く人が自ら出資し、経営も行う新たな法人が設立できるようになりました。 制度の目的のひとつは少子高齢化が進む中で必要とされる地域貢献の担い手の確保です。 これまではNPO法人などが課題解決の事業に取り組んできましたが、設立には所轄官庁からの許認可が必要など活動が制限される場面もありました。 一方、労働者協同組合にはこうした制約がなく、派遣以外のあらゆる事業を行うことができます。 また、法人格があることで、業務委託契約が結べることから、地方自治体と連携しやすいといったメリットもあり、12月1日時点で全国で117団体が設立されています。 北澤さん: 「利益が出そうな事業はすでにいろんな皆さんが取り組んでいるんですね。儲からない仕事はほとんど手をつけられないんですよ。しかし地域の課題はそういう課題ばっかりですよね。だからそういう課題を解決するにはこの労働者協同組合法を生かした形じゃないと解決に向かっていかないんじゃないか」
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