本年度アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート作 映画『ありふれた教室』が日本公開
本年度、第96回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネートを果たした、ドイツの新鋭イルケル・チャタク監督最新作、映画『ありふれた教室』。この度本作の日本公開が決定し、特報映像とティザーチラシが公開された。 本作は、現代社会の縮図というべき“学校”を舞台に、若き女性教師の悪夢のような極限心理をあぶり出すスコラスティック・スリラー。ある新任女性教師の視点で進行する物語は、校内で発生した小さな事件が予想もつかない方向へと激しくうねり、わずか数日間で学校の秩序が崩壊してしまう異常な事態へと突き進んでいく。 第73ベルリン国際映画祭パノラマ部門でワールドプレミアされW受賞を果たした本作は、ドイツ映画賞最多5部門(作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞)の受賞も達成、さらには本年度アカデミー賞国際長編映画賞ノミネートを果たした。 ドイツの新鋭イルケル・チャタクにとって、日本劇場初公開となる本作は、長編4作目にあたる最新作。チャタク監督は教育分野で働くさまざまな人々へのリサーチを行い、自らの子供時代の実体験も織り交ぜてオリジナル脚本を執筆した。誰にとっても馴染み深い学校という場所を“現代社会の縮図”に見立て、正義や真実の曖昧さをサスペンスフルに描ききったその試みは、ミヒャエル・ハネケやアスガー・ファルハディといった名匠の作風を彷彿とさせる。 主演のレオニー・ベネシュはハネケ監督の代表作『白いリボン』で注目され、「THE SWARM/ザ・スウォーム」「80日間世界一周」などのTVシリーズで活躍する実力派。『ありふれた教室』が追求した多様なテーマは、教員のなり手不足や過酷な長時間労働、モンスター・ペアレンツなどの問題がしばしば報じられる日本社会とも無縁ではない。教育現場のリアルな現実に根ざし、世界中の学校やあらゆるコミュニティーでいつ暴発しても不思議ではない“今そこにある脅威”を見事にあぶり出す。 映画『ありふれた教室』は、2024年5月17日(金)より全国公開。
otocoto編集部
【関連記事】
- 共同脚本 & プロデュースの高崎卓馬が語る 自主映画的な始まりから雪だるまのようにどんどん大きく育っていった『PERFECT DAYS』
- 米アカデミー賞作品賞ノミネート映画 予告映像まとめ [96th Oscar 2024]
- 第42回:女優パワーが炸裂したクリティクス・チョイス・アワード 『哀れなるものたち』主演女優賞受賞のエマ・ストーンが、アカデミー賞前哨戦の順風に帆をあげた!
- 第43回:アカデミー賞ノミネーション入りしたNetflixで今すぐ視聴できる伝記映画のオンパレード !
- 第96回アカデミー賞5部門ノミネート! 『サイドウェイ』監督&主演の名コンビが再タッグを組んだ、映画『ホールドオーバーズ(仮題)』日本公開決定