米FBI、世界最大級のサイバー犯罪網を解体-主犯者らは逮捕
(ブルームバーグ): 米連邦捜査局(FBI)は、1900万台に上るコンピューターへのウイルス感染によってハッカーによるサイバー犯罪を引き起こした世界最大級のボットネット(悪意のあるソフトウエアネットワーク)を解体したと発表した。
FBIのクリストファー・レイ長官が29日に発表した声明によると、190余りの国と地域に広がったボットネットは、金融詐欺や個人情報の窃盗、児童搾取に利用されていた。
司法省の発表資料では、当該ボットネットが、爆破予告やサイバー攻撃などの犯罪につながったことも明らかにされており、被害額は数十億ドルになる可能性が高いという。
レイ長官によれば、法執行機関はボットネットを運営したとして、ワン・ユンへ容疑者と共謀者に制裁を課し、インターネット機器と資産を押収したという。
中国籍のワン容疑者は24日にシンガポールで逮捕され、マルウエアの配布と「911 S5」と呼ばれるボットネットの構築につながった住宅用プロキシサービスの作成および運営の疑いで起訴された。
米政府当局によると、同ボットネットは2014年に開始され、ウィンドウズ搭載の家庭用パソコンをウイルスに感染させてネットワークを構築。司法省によれば、ワン容疑者はサイバー犯罪者にボットネットへのアクセスを有料で提供し、数百万ドルを稼いだ。
原題:FBI Takes Down Massive Global Army of Zombie Computer Devices(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Katrina Manson