岸田首相「不出馬表明」の裏側を徹底解説 取材で見えた”決断の裏側”とは
【なぜこのタイミング】
決断の表明は、なぜこのタイミングだったのか。これは2つの理由がある。 1つめは、来週20日に自民党総裁選の日程が決まることだ。通常、総裁選の日程が決まると、候補者達が「立候補表明」を行うことになるが、その時点で首相の態度が不明な状態だと、他の候補者の動向に影響を与えることになる。 実際、首相の周辺は「総裁選に出馬したい意向の閣僚や党幹部にとっては動きやすくなる」と話す。 2つめは、岸田首相自身の「影響力」の維持だ。ある側近は「このタイミングで辞めることで、今後の影響力を一番キープできる」と説明する。裏を返せば、仮に総裁選に出馬して負ければ「これまでの実績がすべて台無しになってしまう」とも指摘している。 安倍元首相や、麻生副総裁、菅前首相などは、首相退任後にも党内に大きな影響力を持っている。今やめることで引き続き、首相経験のある政治家として影響力を維持し続ける狙いがあったことが窺える。