大阪人が愛してやまない一品。明治創業の定食屋『大黒』の「かやく御飯弁当」とは?
●テイクアウトしても美味しいお弁当の逸品。大阪の老舗店『大黒』の「かやく御飯」をご紹介。
大阪人の食スタイルとしてよく話題になる炭水化物同士の組み合わせ。そんな中で大阪人が特に好きなのが、うどんのベストパートナーにもなっている「かやく御飯」です。 【画像】小さめの茄子を半分にカットして煮込まれた姿煮 全国区としては一般的に炊き込みご飯と呼ばれている、かやく御飯で一際、有名なお店が大阪の繁華街にあるのです。
道頓堀から数分の老舗定食屋『大黒』
お目当てのお店があるのは大阪の難波。国内外からの観光客でごった返す道頓堀から御堂筋を越え、南西へ歩くこと2~3分。路地を1本入った場所に、今回紹介する『大黒(だいこく)』があります。明治35年創業で120年以上の歴史ある老舗定食屋となっています。 「道頓堀から歩いてすぐの場所にこんなお店があるのか!」と逆に驚くような渋い店構えで、お店の名前も暖簾もかなり控えめ。
とシックな店内にはお客さんがギュウギュウ。お店の存在を知らなければ偶然訪れる人は少なく、決して入りやすい雰囲気のお店でもなく、さらにはお店に来たのが14時頃。ランチの時間はとっくに過ぎている時間帯だったので、その人気の高さが伺えます。 こちらのお店、もちろん店内でご飯が食べられるのですが、持ち帰りのお弁当もあるので今回はそちらを注文したいと思います。 お店の人に注文すると、ご飯の炊きあがりが次になるので30分以上掛かるとのことでしたので、ゆっくりと待たせてもらいました。
ノスタルジックな店内は、調理場がかなりダイレクトに繋がっていてパワフルな関西弁の厨房でのやり取りが聞き放題。その様子をBGMに聞きつつ、文庫本などを読みながら待っているとお弁当が出来上がりました。
歴史ある「かやく御飯」はシンプルだけど絶品
近くの公園まで移動して食べることにしましょう。ちなみにこちらのお弁当ですが「かやく御飯おかず付き」という名前で、おかずなしのかやく御飯のみのメニューもあるので、お弁当にする場合には、おかず付きをお間違いなく。
さて、いただきます。まずは看板メニューのかやく御飯から。そもそもかやく御飯のかやくは「加薬」と書き、薬味を加えた、つまり具材入りのご飯。全国区的にはいわゆる炊き込みご飯と同じ食べ物の関西の名前なのですが、大黒のかやく御飯は一般的な炊き込みご飯と比べると具材がかなり小さめ。しかしその美味しさは抜群です。 パッと見では分からないほど小さく刻まれたコンニャクと油揚げ、それにゴボウが入ったシンプルな炊き込みご飯となっていますが、具材が小さく切られている分、ご飯と具材のシンクロ率が高いのが特徴。 ダシの味わいと素材の風味がいい意味でご飯に入り込み、ご飯の美味しさが引き立った炊き込みご飯。まさに薬味を加えたかやく御飯という名前にピッタリです。