中川大輔、八木莉可子が挑む!ヨーロッパ企画・上田誠が手掛ける『鴨川ホルモー、ワンスモア』
第170回直木賞受賞作家・万城目学のデビュー作『鴨川ホルモー』。京都を舞台に、ナゾの競技サークルに参加することになった学生たちの、甘酸っぱくもバカバカしい青春の日々を描き出す。それをヨーロッパ企画の上田誠の脚本・演出により舞台化。『鴨川ホルモー、ワンスモア』として上演する。そこで主人公・安倍役の中川大輔、ヒロイン・早良京子役の八木莉可子、さらに上田も加えた3人に、稽古開始を控えた今の心境を語り合ってもらった。 【全ての写真】『鴨川ホルモー、ワンスモア』合同取材会
恥ずかしい自らの黒歴史を思い出しながらの役作り
――おふたりとも上田さんの作品へは初参加となりますが、もともとヨーロッパ企画がお好きだったそうですね。 中川 はい。僕、映画でも舞台でもつい構えて観ちゃう癖があるんですが、ヨーロッパ企画さんの舞台は本気で笑っちゃうんです。思いがけない演出など、油断ならないところも好きで。僕とメンズノンノモデル同期の鈴木仁が『たぶんこれ銀河鉄道の夜』に出演してたとき、僕も見たことのないような仁で。やっぱり面白い、自分もあの世界に入ってみたいと思ったんです。 八木 ヨーロッパ企画さんの作品って、独特のユーモアがありますよね。うわ、そこ突いてくる!?みたいな、ちょっと観ているこちらが悔しくなるような笑いも多くて。私にとっては初舞台ということで、今は漠然とした不安がありますが、とにかく上田さんの作品に参加出来ることが嬉しく、夢のような気持ちです。 ――主人公の安倍、ヒロインの早良京子をおふたりに演じてもらうからこそ、どういった人物像になっていくのではないかと思いますか? 上田 このふたりについては原作ですでに結構言及されていて、『鴨川ホルモー』として守るべきライン、みたいなものは一応示されてはいるんですよね。それを元に台本を書くわけですが、別にそれをバイブルのようにやる必要はないと思っていて。逆に僕の台本を下敷きに、いろいろ変えていってもらいたい。ふたりでしゃべってみて初めてわかることもあるでしょうし、お互いに楽しみながら、稽古出来るのが一番かなと思っています。 ――安倍と早良の人物像について、原作からはどういった印象をお持ちですか? 中川 安倍は相当な変わり者ですよね(笑)。鼻に異常な執着があり、さだまさしさんの大ファン。そんな中で僕が共感出来たのは、安倍同様、自分も大学生活を振り返ると黒歴史ばっかりだったなってことで…(笑)。 上田 すごくよくわかります。僕もいまだ、うわぁー!ってなる瞬間がありますから。急にソファを殴り始めたり(笑)。 中川 わかります! 恥ずかしい過去を思い出して、あぁ!ってなるんですよね。八木さんにもそんな経験ありますか? 八木 あります、あります! 私はそういう時に咳をします。ゴホン! ゴホン!って(笑)。 上田 それはいいですね。日常に溶け込んでいる(笑)。 中川 確かに(笑)。今回はそんな過去を思い出しつつ、自分との共通点を見つけつつ、安倍という人物を探っていけたらと思います。