漁獲枠が増える見込みのクロマグロ 東北の漁業者からは不満の声も
khb東日本放送
太平洋のクロマグロについて、水産庁が東北の漁業者を対象にした説明会を開催しました。2025年から漁獲枠が増える見込みですが、漁業者から聞こえてきたのは不満の声です。
説明会では、太平洋でのクロマグロの漁獲枠について30キロ以上の大型はこれまでの1.5倍に、30キロ未満の小型は1.1倍に増やすことで合意したと報告されました。 水産庁資源管理部福井真吾漁獲監理官「(漁獲枠の)増枠の実現に向けて、引き続き関係国に働き掛けていきます」 クロマグロは資源保護のために国が漁獲枠を都道府県に配分していて、漁獲枠を超えた場合は取れたマグロを逃がさなければなりません。 日本定置漁業協会によりますと、マグロ漁が盛んな京都府の定置網調査では大型マグロで漁獲枠の3倍、小型で11倍を逃がしているということです。 日本定置漁業協会玉置泰司専務理事「全国で逃がしている量は相当な量になる。宮城県でもTAC(漁獲枠)以上を放流していることになる。漁獲枠を増やしてほしいというのが切実な願いです」 説明会に参加した宮城県の漁業関係者からも、マグロの漁獲枠をさらに増やすよう求める声が上がりました。 宮城県定置漁業協会泉澤宏会長「以前よりもかなりマグロ自体が増えているので、放流の機会がものすごく多い、1年を通じて。できるだけ漁獲枠、量が多くなることで、放流を減らすことに取り組んでほしい」 水産庁は、説明会でクロマグロの漁獲量を報告しなかったり量を偽ったりした場合の罰則を重くし、漁獲管理を強める方針も示しました。 水産庁では、年内に都道府県へのクロマグロの配分量を決める方針で2025年4月から適用される見通しです。
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