#05 ベトナム戦争・枯れ葉剤の負の遺産 その1
22歳のケ・バン・バックは、重度の脳性麻痺に似た症状をもって生まれてきた。母親のカン・トゥイは、ベトナム戦争中、女性兵として米軍の侵略に抵抗し戦った。
抵抗軍の隠れ場となっていた森林を死滅させるため、1961年から71年にかけて米軍によって大量に散布されたのが枯れ葉剤だ。植物だけでなく、動物や人体にも有毒で、遺伝子にも悪影響を与えるダイオキシンを含むこの枯れ葉剤に、400万ものベトナム人が晒されたという。ベトナム戦争が終結してから35年以上がたった今も、その悲劇は消えること無く続いている。