ニュースこの1年「経済」 物価高による値上げラッシュ 新幹線の敦賀延伸や地域交通再編など
富山テレビ放送
「ニュースこの1年」。 17日は県内経済を振り返ります。 続く物価高による値上げラッシュの一方、新幹線の敦賀延伸や地域交通再編など未来につながる一歩もありました。 能登半島地震で始まった2024年。 特に観光産業に大打撃をもたらし、1月だけで県全体の損失が推定20億円に達するなど不安が広がりました。 それを横目に、日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新。 バブル絶頂期を超える高水準で、先週は一時4万円台を回復しました。 *新田八朗知事 「全国に先がけて認定されたことは大変喜ばしく価値のあるものと受け止めています」 同じ月、JR城端線・氷見線の再構築が国の認定を獲得し、来年以降、全駅にICカード対応改札が整備されることに。 3月。地震復興に向けた国の「北陸応援割」がスタート。しかし...。 *サン柳亭 小柳博美女将 「おかげさまで朝から電話がなりっぱなし」 開始早々に完売となるなど一部混乱もひろがりました。 その「北陸応援割」の開始日、3月16日には北陸新幹線が 福井県敦賀市まで延伸開業。 ところが...。 *北陸新幹線建設促進同盟会長 杉本福井県知事 「今こそ小浜・京都ルート。米原乗換では金沢・富山も、(大阪まで)20分以上かかり、料金は2000円以上高い。こんなことが許されるでしょうか」 着工の遅れから、石川県議会で新幹線のルート問題が再燃。 夏以降、新田知事らが与党や関係省庁を訪れ、工期短縮に最大限努力するよう求めましたが、先週金曜、大阪の吉村知事などが着工に慎重な立場を表明し、年内のルート決定は困難になりました。 一方、新幹線延伸が奏功したのが「地価」。 県全体で32年ぶりに下落が止まり、明るい兆しとなりました。 そして、バブル期以来となる「賃上げ」。 春闘では例年にない高水準の回答や早期決着の傾向となり、県内でも30年ぶりに5%超えの賃上げが達成されたほか、10月には最低賃金も過去最高の50円引き上げで998円に。 物価高や人手不足に対応するため、この流れは来年も続くとみられます。 *陽だまりの湯 奥あゆさん 「(メーカーに)1~2カ月前に改修を申し込み、今月中にはなんとか間に合わせるように急いでいる」 7月の新紙幣発行を目前に、県内の企業や店は券売機の更新対応に追われました。 20年ぶりの新紙幣発行でしたが、時代はキャッシュレス。 年末を迎えても、まだお釣りなどで出会える確率は低いようです。 そしてこの夏、都市部を中心に全国を騒がせたコメ不足。 *大阪府 吉村知事 「需給が逼迫しているのであれば、倉庫に眠らせておく必要はないと思う」 *農林水産省 坂本大臣(当時) 「コメの需給や価格に影響を与えるおそれがある。(備蓄米の放出は)慎重に考えるべき」 流行語大賞にもノミネートされた「令和の米騒動」。 米不足は解消したものの、米の価格はこの1年で割近く上昇。 このほか、10月には郵便はがきが30年ぶりの大幅値上げで65円から85円に。 食品も含め、あらゆる物が値上がりし、年間平均値上げ率は17%と「値上げラッシュ」の年でした。 先月、5期連続赤字となっている富山地方鉄道の「あり方検討会」がスタート。 沿線首長と新田知事も参加して議論しました。 城端線・氷見線に続く成功例になるのか...。 2回目の会議は年明けに予定されています。 そして先週...。 自公国3党が「103万円の壁」撤廃やガソリン暫定税率撤廃で合意。 しかし、与党の引き上げ額が物価上昇率をもとにした「123万円」に留まり、国民民主党は反発していて、17日、協議の打ち切りも示唆しました。 本当に合意の内容が実現されるのか... 国内経済の立て直しが課題となるなか、来年も私たちのくらしにはさまざまな波が訪れそうです。
富山テレビ放送