森田望智『虎に翼』で本領発揮! 映画『シティーハンター』も好評で…本誌に語っていた”魅せ方”
俳優・森田望智(27)の本領発揮である。 NHK連続テレビ小説『虎に翼』では、常に気合十分でハキハキとものを言う伊藤沙莉(30)演じるヒロイン・猪爪寅子に対し、おっとりした話し方でフワフワとした空気感を纏った寅子の親友・花江を演じている。 【大女優のオーラ】すごい!本誌カメラマンに爽やかな笑顔を見せる23歳の森田望智のオーラが... 「女性が家庭に入り、夫を支えることが当たり前の時代に、『男女平等』を唱える革新的な考え方を持つ寅子に対し、典型的な昭和の主婦をひょうひょうと演じています。その中で、女性の強かな一面や密かに抱える悲しみなどを繊細に演じ、共感する女性が急増。演技も絶賛されています」(テレビ誌ライター) そして、もう一つの作品が、4月25日から配信が開始されたNetflix映画『シティハンター』だ。クールで超一流のスイーパー(始末屋)だけど、女好きで、ちょっとおバカな主人公・冴羽獠(鈴木亮平・41)とバディーを組むボーイッシュなヒロイン・槇村香役を演じている。 「森田は香役が決まると、原作漫画を読破。TVアニメも全話観て、冴羽獠にとことん惚れ込んだと聞きました。髪型も香役に近づけるためにカットし、アニメの声を意識しつつも、自分の個性を出せるように工夫したそうです」(前出・ライター) そんな彼女の名を一躍、有名にしたのが、’19年に配信されたNetflixドラマ『全裸監督』で演じた、AV女優・黒木香役だろう。高学歴でお嬢様風の美女でありながら、ワキ毛を生やしたり「ハメ撮り」に挑んだりしたことで、当時の人々を驚かせた昭和の伝説的女優だ。森田自身もそんな彼女に、ビジュアルから話し方まで全てを完璧にコピー。その演技は、瞬く間に話題となった。 『FRIDAY』は、配信からひと月後、話題の渦中にいた森田の独占インタビューを行っている。その一部をご紹介したい。 ◆ストリップショーを見に行き、学んだ“魅せ方” 「オーディション中、ほかの候補者の方の演技に感動して泣いてしまったんです。武正晴総監督をはじめ、監督たちにはそれが印象に残ったみたいです。実は、私が参加する前から何度かオーディションは行われていたらしいのですが、なかなかピッタリの女優さんが見つからなくて、『ヒロイン役は、オーディションで選ぶのではなくオファーにしようか』という話まで出ていたとも耳にしました。そんな状況のなか、監督たちが最後に私を選んでくれて、信じられないほど嬉しかったです」 森田は、まだ23歳という若さながら、こちらの質問に沈思黙考し、言葉を選ぶように静かな口調で語ってくれた。その姿は、すでに“演技派俳優”のオーラを漂わせていた。 「オーディションのお話をいただいたとき、迷わず『受けます』と答えました。以前から尊敬していた武監督がメガホンをとるドラマだったので、絶対に出たくて」 森田は、武監督主催のワークショップに参加するなど、監督作品に出演することを目標の一つにしていたという。そして、演じた黒木については、 「黒木さんについては、『受けます』と答えた帰り道で詳しく調べて、あまりの個性の強さにビックリしました(笑)」 黒木が生きてきたAV業界は、森田にとって未知の世界。そこで、ストリップショーを観に行き“魅せ方”を勉強したという。 「初めはストリップショーに出ている女性に対して、『なぜこの仕事をしているんだろう』と、一種の偏見のような感情も抱いていたんです。でも、真剣に踊りや盛り上げ方を追求する彼女たちを見ていると、『女優やほかの仕事と何も変わらないんだ』と思うようになりました。 黒木さんに対する考え方も、役作りをするなかで変わっていきました。私が考える黒木さんは、『人から愛されたいと願う純粋な女性』。彼女は厳格な母親のもとで本心を抑えながら育った。だから、どこかで『本当の自分を見てほしい』という気持ちがあったと思います。ワキ毛を生やしているのも、あえて自然体でいることで、『そんな自分も愛してほしい』と言いたかったのではないでしょうか」 『全裸監督』は、全世界1億人以上に同時配信されたため、注ぎ込まれた金額もケタ違いだった。日本のテレビドラマの平均的な制作費が1話あたり2000万円ほどのところ、本作には1億円ほどかけられているといわれている。 「驚いたのは、セットの豪華さと緻密さ。棚の中身まで再現されているし、『サファイア映像』(劇中で黒木が所属するAV制作会社)などの建物だけではなくて、街全体がセットとして作られている。だから、屋内から窓越しに街の様子を撮ることもできて、表現の幅が広がります。 役者としても、屋内セットから出ても現実に引き戻されることがないので、常に役に入り込んでいられる。リアルな演技ができたおかげか、海外のファンの方も増えました。SNSでは英語、フランス語、中国語とさまざまな国の言葉で応援のメッセージをいただいています」 そんな森田の当時の夢は、 「映画祭のレッドカーペットの上を歩くこと」 だったが、それからわずかひと月後、『全裸監督』が『第24回釜山国際映画祭』でアジアのテレビドラマを対象とした「アジアコンテンツアワード」を受賞。初のレッドカーペットを踏んでいる。 進化が止まらない森田。『虎に翼』ではこれからどんな演技を見せてくれるのだろう……。楽しみで仕方ない。
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