Netflix『地面師たち』の綾野剛とは正反対に短気…!「ホンモノの地面師」カミンスカス操が、フィリピンの収容所で「ブチギレたワケ」
ハリソンは内田マイク、辻本拓海はカミンスカスか
動画配信サービスNetflixのドラマ『地面師たち』が大きな反響を呼んでいる。7月25日の配信から間もなく1ヵ月が経つが、現在も国内ランキングで1位をキープしている。 【写真】夜でもサングラス…!カミンスカス操の凶暴すぎる「素顔」 全7話のドラマは、'17年に積水ハウスが55億円を騙し取られた「地面師詐欺事件」がモチーフ。地面師集団のリーダー「ハリソン山中」は豊川悦司、交渉役の「辻本拓海」は綾野剛という豪華俳優陣がそれぞれ演じている。 明確な設定はないものの、実在した地面師たちの役割に照らし合わせると、ハリソン山中は犯行計画を指揮したリーダー格の内田マイク(懲役12年の実刑判決を受け服役中)、辻本拓海は「財務担当」を名乗って積水ハウスとの売買交渉に臨んだカミンスカス操(懲役11年の実刑判決を受け服役中)と考えられるだろう。 ドラマのなかで、ハリソン山中は眼光鋭い冷徹なボス、辻本拓海は冷静で機転が利く知能犯としてそれぞれ登場するが、本物の地面師たちは一体、どのような人物なのだろうか。
「記事にしたら訴えるからな!」
主犯格の1人、カミンスカス操に私はフィリピンの首都マニラで直撃したことがある。カミンスカスは偽造有印私文書行使などの疑いで警視庁から国際手配され、'18年10月にフィリピンへ入国していた。2ヵ月の逃亡生活を経て、その年の暮れに捜査当局に身柄を拘束された。 私が向かった場所は、フィリピン入国管理局の収容施設である。マニラ南部の広大な警察施設のなかにあり、高さ約5メートルの白い塀に囲まれ、有刺鉄線が張り巡らされている。そこにはフィリピンへ渡った外国人逃亡犯が常時、100~200人収容されており、カミンスカスはその1人だった。日本への強制送還に向けた手続きが完了するまで、一時的に収容されていたのだ。 同時期にマニラに滞在していた私は、面会目的で施設に入った。収容者たちがたむろしている広場にいると、カミンスカスとみられる男に遭遇した。白い野球帽にサングラスをかけ、服装は光沢系の青いノースリーブシャツに短パン、サンダル履きといった、南国さながらの格好だ。思わず、尋ねた。 「カミンスカスさんですか?」 男は反射的に表情を曇らせた。カミンスカスで間違いないだろう。 「誰だ? 何なの?」 私が身元を明らかにした途端、彼は怪訝な顔つきになり、こうまくしたてた。 「俺は取材を一切受けない。何もしゃべらない。写真なんか取るなよ。このやり取りを記事にしたら訴えるからな!」 カミンスカスは私を指さした。歳の割には声が若く、シャープな顎をしている。肌の張りも良く、収容生活による疲れはまったく感じられない。