岩手県一関市発注の水道工事入札をめぐる官製談合事件の初公判が開かれ、検察側は、入札情報を漏らした市職員の男に懲役1年6カ月を求刑しました。 　官製談合防止法違反などの罪に問われているのは、一関市の職員金今進被告（61）と、一関市の建設関連会社フジテック岩手の元代表取締役千葉登美夫被告（72）、同じく元役員の千葉里美被告（47）です。 　起訴状などによりますと、金今被告はおととし7月から去年6月までの間に、市が発注した3つの公共工事の入札情報を千葉被告らや、市内別の水道工事会社にもらした罪に、また千葉被告らはその情報をもとに工事を落札した罪に問われています。 　24日の初公判で3人はいずれも起訴内容を認めました。 　検察側は「事件となった入札は著しく不公正に行われた極めて悪質な犯行で、社会的影響も大きい」として、金今被告に懲役1年6カ月、千葉登美夫被告に懲役10カ月、千葉里美被告に懲役1年を求刑しました。 　一方、金今被告の弁護側は、被告が罪を認め反省していることなどから罰金刑を求めました。 　また千葉被告らの弁護人は、業者による談合グループから入札の妨害を受けており、行き詰まった中での犯行だったと主張し執行猶予付きの判決を求めました。 　判決は12月3日に言い渡されます。