14年落ち中古フェラーリ、売ります! 意外な“売却理由”とは?(連載:33歳、フェラーリを買う)
29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからまたフェラーリを購入した! はたして、2回目の“跳ね馬ライフ”はいかに? 【写真を見る】わがカリフォルニアの詳細はこちら(16枚)
総走行距離はたったの約1000km
わがカリフォルニアを購入したのは昨年の10月だった。かつて乗っていた「360モデナ」が忘れられず、自分にとって、愛すべきクルマはフェラーリしかない! と、確信。たまたま、白いカリフォルニアの上物が入荷したということで、勢いで契約した。 走行距離こそ約4万9500kmに達していたが、コンディションは上々。普段の足にするわけでもないので、多少、距離が伸びている分にはOK。自分にとっては、まさにうってつけの1台だった。 わが家にやってきてから半年ちょっとで、タイヤを交換したり、ドライブレコーダーを取り付けたり、ボディーコーティングを施したり、と、ちょっとずつ“愛情”をかけてきた。 車検整備も、懇意にしているフェラーリ横浜サービスセンターに依頼した。そこで判明したのはハイビーム&ウォッシャー不良のみで、ほかは異常なし。担当からも「コンディションは悪くないです」と、お墨付きをもらった。 昔のサントリーのCMじゃないけれど、“すこし愛して、ながく愛して。”のごとく、カリフォルニアをずっと所有するつもりだった。しかし、売却をせざるをえない状況になってしまった。理由は引っ越しである。 諸般の事情から、2台分契約している自宅マンションの駐車場を、1台分解約しなくてはならなくなった。仕事用のクルマを置かなくてはならないため、必然的にフェラーリの置き場がなくなってしまう。自宅のまわりを探したものの、月極駐車場に空きがまったくない。1番近くの屋根付き駐車場は、徒歩20分。さすがに20分は遠すぎる……。 というわけで、クルマが2台置けるマンションに引っ越すことを決めた。ボクのポリシーで賃貸には住むつもりはないので、今の家を売却し、新居を購入する。当然ながら、次の家も住宅ローンを組むことになる。これまで住んでいた家については過去の記事『30歳、マンションを買う』に記してある。 さて、住宅ローンの審査にオートローンは不利だ。とくにわがカリフォルニアはフルローンで購入しているため、残債がそれなりに残っている。一括返済すれば良いが、そうすると、今度はマンション購入時の諸費用などが足りなくなってしまう。大変残念だが、一旦売却することを決断した。 販売価格は1050万円。カリフォルニアの相場からするとちょっと安いらしい。たしかに、走行距離4.4万kmのモデルが1150万円、4.8万kmのモデルが1098万円だ。 ちなみに購入時からの走行距離はたったの約1000km。ほとんど乗らなかったので、履き替えたタイヤの残り溝もかなりある。車検も正規ディーラーで通したから「あぁ、勿体ないなぁ……」と、思うものの、住宅ローンを通すためには致し方ない。クルマも大切だが、やっぱり日々、多くの時間を過ごす家のほうが大切……ということに、駐車場問題でハッと気がついた。 ただし、引っ越して落ち着いたら再びフェラーリを購入するつもりだ。その暁にはまたここに記そうと思う。
文と編集・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)