函館の観光客、24年度上期345万人 コナン効果、過去10年で2番目の高水準
函館市は3日、2024年度上期(4~9月)の観光入り込み客数(推計値)が前年同期比10%増の345万3000人だったと発表した。函館が舞台になった映画「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」の聖地巡礼企画で滞在時間が伸びたのが要因で、過去10年で2016年度(366万5000人)に次ぐ2番目の高水準。外国人宿泊客数は同37%増の20万2000人で、直行便がある台湾などが順調に入り込みを増やした。
交通機関別の入り込み客数は、乗用車などが同13・1%増の185万3000人。鉄道が同5・1増の79万3000人、航空機が同6・8%増の47万4000人、船舶が同10・3%増の33万3000人。構成比は乗用車などが53・7%を占めた。
月別では、4~9月の全てで前年を上回り、特にサクラの開花が早かった4、5月は道内客の入り込み、夏休みの8、9月は道外客の入り込みが好調。道外客61・7%、道内客38・3%で、市が想定する道外客6割、道内客4割という傾向が顕著に現れた。宿泊客の割合も同1・1ポイント上昇し60・5%と、目標の6割に達した。 宿泊客数は、実人数が208万8700人、延べ人数が269万1700人。平均宿泊数は1・29泊で前年度(1・25泊)を上回った。市は、市観光基本計画(24~28年度)で1・48泊を目標に掲げている。 外国人宿泊客数は、台湾が11万2400人でトップ、次いで中国が2万2120人、香港が1万1811人だった。中国は前年度(7846人)を大きく上回ったが、ピーク(19年度、4万1000人)には届いていない。 市観光企画課は、入り込み好調の要因について①コナン効果②円安で国内旅行にシフトする人が増えた③クルーズ客船が上期過去最多の46隻が入港した―と分析。下期(10月~来年3月)の見通しは「台湾の航空会社エバー航空が来年1、2月に函館―台北間のチャーター便を運航し、デビュー30周年を迎えたGLAYが来年1月に2日間、函館アリーナでライブを開く。円安傾向が続き外国人の冬季観光も期待できる」としている。「通年で560万人も夢ではない」と強調する一方、懸念材料として、物価高で国内客の財布のひもが固くなっていることを挙げた。
函館新聞デジタル