【鳴尾記念回顧】高速決着で勝ち負け演じたベテラン勢 初の中3週で勝負に出たヨーホーレイク陣営
勝敗をわけた4コーナー
レース全体のラップをみると、12.2-11.1-11.6-11.9-11.9-12.3-11.8-11.4-11.6-11.4と好時計決着だけあり、その内容は濃い。バビットはもう少し離したかったかもしれないが、全体的に抑えすぎず、ついてきた。構えていては前に残られる。京都内回りの高速馬場を踏まえた戦略だった。後半800mはすべて11秒台で、残り600mで落ち込みがない。確かな末脚がなければ差せない流れだっただけに、ヨーホーレイクもボッケリーニもさすがだ。2頭の差は位置取りのちがいと、4コーナーで通ったコースにある。ヨーホーレイクは先に外へ出て、後ろのボッケリーニはさらに外へ持ち出さざるを得なかった。岩田望来騎手の絶妙な仕掛けも見逃せない。 ボッケリーニは8歳ながら今年2度目の重賞2着、通算だと8度目の重賞2着になる。1着こそとれなかったが、こちらも称えよう。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳