大人になってからも「友だち」って必要ですか?【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第22回
■地元の友だちとのつき合い方 里崎 でも、今の時代ではそれが普通なのかもしれないよね。学生時代は、みんなが同じような環境の中で生活して、同じ程度の学力や価値観を持った集団で過ごしていたけど、社会人になったら、それぞれがまったく別の価値観の中で生きていくことになる。そうなれば、物事の価値観とか考え方に違いが出てくるのは当然のことだし。 五十嵐 こういう言い方をすると、高校時代の友だちや地元の人に失礼だからあんまり言いたくないけど......確かによくも悪くも、価値観は大きく変わりますよね。そう考えたら、社会人になってから知り合った人と一緒に過ごすほうが精神的にもかなりラク。お互いの考え方や価値観を理解していることが多いから。 里崎 でも、一方では「やっぱり、地元の友だちはいいな」とか、「利害関係なくつき合えるからラクだ」って考える人もいるよね。 五十嵐 それを聞いて思い出した。たとえば、ソフトバンク時代に一緒だった斉藤和巳さんは「地元の友だちといると安心できるし、昔の思い出話を延々と話しているのが楽しい」って言っていましたね。サトさんも、高校時代の友だちとの忘年会はやっぱり楽しいでしょ? 里崎 確かに、延々バカ話ばかりしてるからね(笑)。やっぱり東京の人と比べたら、田舎の人は擦れていないよ。昔からずっと同じコミュニティーで完結しているから、人と人との距離感が近いし。 五十嵐 そうなると、ちょっと窮屈にもなりそうですけど......。 里崎 でも、彼らにとってはそれが普通だし、これからもそうやって生活していくわけだから、疑問を感じたり不満を抱いたりすることもないでしょ。「車を買うなら、この人から」とか、「保険に入るなら、あの人から」って決まっているような生活の中で得られる安心感もあるはず。お互いに小さい頃から知っていて、そのまま年をとっていくわけだからね。 五十嵐 そうなると、地方で暮らしている人と、都会暮らしの人とでは「友人関係」に対する考え方とか、捉え方も異なるかもしれないですね。地方の人のほうが人間関係が密になるし、それぞれが支え合うことで社会が成り立つ部分が大きそうだけど、都会の人の場合はそこまで他者を必要としないというのか、人間関係が希薄でもなんとなく生きていけるし、むしろそのほうが心地いいというのか......。 ――期せずして、地方で暮らす人と都会で暮らす人とでは人間関係、友人関係に対する捉え方が違うのかもしれないという話題となりました。次回はさらにその辺りを掘り下げていきたいと思います。 里崎・五十嵐 わかりました。また次回も、よろしくお願いします! 構成/長谷川晶一 撮影/熊谷 貫