“課題山積”パリ五輪 相次ぐテロに爆破予告…セーヌ川での開会式は大丈夫?「プランB」検討
■“安全への不安”高まり軌道修正? マクロン大統領「プランBある」
フランス政府関係者が「プランB」を否定する中、マクロン大統領は23年12月中旬、テレビ番組のインタビューで「プランB」について初めて言及。開会式の直前に連続テロが起きた場合などを想定し、「潜在的な脅威が発生した場合のプランBやプランCなどが当然ある」と述べ、セーヌ川とは別の場所で開会式を行う可能性があることを明らかにした。安全面を不安視する声が高まっていることを受け、軌道修正を図ったとみられる。 さらに、フランス政府などは当初、開会式で10万枚の有料チケットと50万枚の無料チケットを配布する計画だったが、AFP通信によると、観客数が変更される可能性があり、無料チケットを30万枚に減らす方向で調整しているという。また、パリ警視庁のヌニェス警視総監は、大会期間中は大規模な交通規制を行うと発表。住民らは警察の検問を通過するため、登録と二次元バーコードを提示する必要があるとしている。
■軍を動員 パリに“兵士5000人”常駐へ
一方、民間警備員不足など治安対策が課題となる中、フランス軍は大会期間中に兵士約5000人がパリに常駐して警備に協力すると発表。競技が行われるパリ中心部から近い広場にテントを設営し、そこを拠点に活動するという。フランス全土では約1万5000人の兵士が動員されるとみられている。
■“課題山積”パリ五輪 テレワークの呼びかけも…一体どうなる?
悩みの種は警備だけではない。ウクライナ侵攻を続けるロシアとその同盟国ベラルーシの選手の出場をめぐって、ウクライナはボイコットの可能性を示唆している。 また、地下鉄などの交通網をめぐっては、パリのイダルゴ市長が23年11月、「準備が間に合わないだろう」と発言し、整備の遅れを認めた。混乱を懸念するボーヌ交通担当相はパリ市民に対し、大会期間中はテレワークや休暇を取得してパリから出るよう呼びかけるなどしている。少しでも移動する人の数を抑えたいとの考えからだ。 さらに、セーヌ川の水質汚染問題や膨らむ予算、大会組織委員会の契約をめぐる不正利得疑惑など、課題は山積している。