内田恭子と中野美奈子

　今年も株主総会の季節である。最も集中する6月27日は約700社が総会を予定している。で、今回も注目されるのが、総会の雛壇に登場する女性役員だ。 【写真をみる】「人気アナばっかり！」“女性役員”になったフジOGたち　懐かしい昔の姿も

「政府は昨年決定した女性版骨太の方針で、2030年までに大手企業の女性役員比率を30％以上とすることを目指すとしています。しかし、女性の管理職が少ないことから社内での登用はあまり進んでおらず、社外の人材にスポットライトが当たるようになったのです」（全国紙経済部デスク）

「元女子アナ役員」は20人以上

　また、プライム上場企業に対し社外取締役の数を3分の1以上にするよう求めている東証の後押しもある。 「すると、まず女性の弁護士や会計士といった専門職に声がかかります。しかし、そうした人材はすでに払底しているので、次に声がかかるのが有名人。近年は、酒井美紀や生稲晃子といった元アイドルまで社外役員に抜てきされて話題となりましたが、これは例外。常に人気なのは元女子アナ（フリーキャスターも含む）です」（同） 　本誌（「週刊新潮」）が数えたところによると、その数ざっと20人以上。なかでも抜きんでているのがフジテレビだ。 　順不同で挙げると、牛尾奈緒美氏（63）、菊間千乃氏（52）、宇田（蓮見）麻衣子氏（49）、ナカミーの愛称で知られた中野（戸谷）美奈子氏（44）、古田敦也氏の妻としても有名な中井美穂氏（59）、内田恭子氏（48）と続き、今年5月からは松田朋恵氏（61）が加わって7人。 　対して他のテレビ局の出身者はというと草野満代氏や福島敦子氏を輩出したNHKが5人。そしてTBSが3人なので、やっぱり“お台場”が一番人気である。なぜなのだろう。

フジOGが人気のワケ

　菊間氏に聞いてみると、 「私の周りの女性弁護士は、皆3～4社の社外役員を務めておりますので（註・菊間氏も4社の社外役員）、元アナウンサーだからというよりは、女性弁護士だからということでのお声がけなのだと思います。他の方（フジのOG）のことは分かりません」 　との回答だった。 　代わって、とある現役の女性社外役員が解説する。 「大手企業の役員は60代の方が多いのです。その役員が若手だった頃に、テレビ界でもっとも人気があったのがフジの女子アナ。だから、女性の社外役員を招聘（しょうへい）する際に頭に浮かぶのが、“楽しくなければテレビじゃない”頃の彼女たちということですよ」

「週刊新潮」2024年6月27日号 掲載