炎の祭典で家内安全など願う

ろうそくの明かりで浮かび上がる「江」の文字＝白粉町の来迎寺で

　三重県松阪市白粉町の教主山来迎寺（青木孝惠住職）の元三大師（がんざんだいし）会式「炎の祭典」（夕刊三重新聞社など後援）が28日午後6時から同寺で開かれた。訪れた参拝者は家内安全などの願いとともにろうそくを並べ、今年の漢字「江」の文字を浮かび上がらせた。 　祭典は、平安時代に比叡山を治めた「元三大師」とも呼ばれる第18代座主、慈恵大師良源（912～985年）を祭るもの。毎年献灯されたろうそくで同寺に由来する漢字一文字を描き祈っている。 　来迎寺は戦国時代前期に、伊勢国司だった北畠家第6代当主の北畠材親＝きたばたけ・きちか＝（1468～1518年）によって松ケ島城下に創建されたと伝わり、1588年に松坂開府の祖・蒲生氏郷の松坂城築城に伴い現在の場所に移転。そこで今年一字は、材親の法名「心江（しんこう）」から「江」を選んだ。 　この日は和太鼓グループ「伊勢津組」の演奏が響く中、参拝者は大小のろうそくに火を付けて手を合わせ家内安全、商売繁盛などを祈願した。 　森田忠夫さん（85）＝垣鼻町＝は「初めて参加しました。家族の息災延命を願いました」とろうそくを見詰めて話した。