盛り土問題で専門家会議が初会合 水銀検出も「ただちに影響はない」
東京・築地市場の移転先である豊洲市場の主要棟の下に土壌汚染対策の盛り土が行われていなかった事を受け、安全性などを再度検証する都の専門家会議の初会合が15日、築地市場内で開かれた。建物下の地下空間の大気から国の指針の最大7倍にあたる水銀が検出されたことが報告された。同会議は「ただちに健康に影響が出る値ではない」と説明。今回の会議では検出の原因は特定できず、今後調査を継続していく。
国の指針値の最大7倍
水銀は、青果棟と水産卸売場棟の地下空間の大気調査で検出。年間で平均1立方メートル当たり0.04マイクログラム以下とする国の指針値に対し、0.044~0.28マイクログラムと、最大で7倍の数値となった。調査は都が9月末と10月初めに実施した。 座長の平田健正氏(放送大学和歌山学習センター所長)は、「水銀はごく微量」と説明。ただ「現時点で検出の原因は判明しない」と今後も調査が必要とした。委員の内山巌雄氏(京都大学名誉教授)は、水銀蒸気の形で大気中に気化した可能性などを指摘しつつ、人体に対しては「ただちに影響が出るものではない」との見解を示した。 会議には約100人の市場関係者も参加。質疑では、市場の安全性や都の説明などをめぐって、厳しい意見も出た。 ■専門家会議の模様 ■会議後の記者会見