酒井善三監督×大森時生プロデュース『フィクショナル』劇場公開決定 ポスター&予告編も
大森時生がプロデューサー、酒井善三が監督を務めたBLドラマ『フィクショナル』が、11月15日より劇場公開されることが決定した。 【写真】リバイバル上映される酒井善三監督作『カウンセラー』ポスター 本作は、2024年7月から9月にかけて開催され、約7万人が来場した『行方不明展』や『イシナガキクエを探しています』(テレビ東京系)を手がけた大森が初プロデュースした新感覚BLドラマ。動画プラットフォームBUMPで配信されると、BL作品としては異例の緊張感あふれる不穏さで大きな話題となった。 『カウンセラー』でSKIPシティ国際Dシネマ映画祭SKIPシティアワードを受賞し、大森とは『このテープもってないですか?』(BSテレ東)、『SIX HACK』(テレビ東京系)でもタッグを組んだ酒井が監督を務めた。 うだつの上がらない映像制作業者・神保(清水尚弥)のもとに、ある日、大学時代の先輩・及川(木村文)から連絡がくる。憧れの先輩との共同業務に、気分が湧き立つ神保だったが、その仕事は怪しいディープフェイク映像制作の下請けであった。やがて迫りくる自身の「仕事」の影響と責任。神保は、徐々にリアルとフェイクの境目に堕ちていくのだった……。 主人公・神保を演じたのは、映画『若武者』で坂東龍汰、髙橋里恩と共にトリプル主演を務めた清水尚弥。大学時代の先輩の及川を、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』などに出演した木村文が演じた。 あわせて公開されたキービジュアルは、『MADドラえもん』などのサンプリング・アニメーションで知られるFranz K Endoがデザインした。 また、今回の劇場公開を記念して、酒井監督の『カウンセラー』がリバイバル上映されることも決定。黒沢清監督が注目の若手監督の名前として酒井の名前を挙げ、現在公開中の『Chime』が『カウンセラー』の影響を受けたとも語っている。 公開された予告編では、『フィクショナル』と『カウンセラー』の一場面が映し出され、2作品に共通する不穏な世界観の中で、不安を感じ、揺れ動く登場人物たちの姿が捉えられている。 さらに、漫画家の浅野いにおや黒沢監督からの『フィクショナル』『カウンセラー』それぞれへの絶賛コメントと、酒井監督、 大森プロデューサーからのコメントも到着した。 『フィクショナル』コメント 浅野いにお(漫画家) これは架空の物語ですが、確信を持って描かれる示唆的なラストに、自我を見失いつつある現代社会の縮図を感じました。混沌と不安、そしてやり場のない怒り。これは明日の自分の姿なのかもしれない。 背筋(小説家) 虚実ない交ぜのこの世界。もしかしたら私たちは、情報に溺れたままのほうが幸せなのかもしれません。人がおかしくなってしまうのは、疑うことに気づいたときですから。 そのことに気づいた私は、もうおかしいのかもしれませんが。 高瀬隼子(小説家) 自分の目で見て、耳で聞いて、頭で考える、その先にある「信じる」が驚くほど遠い。こんなに難しかったんだっけ、と頭を抱えている…この頭も本物だろうか? と疑ってしまう。根底からぐらぐらと不安定になる、じっくり見つめてほしい作品。 皆口大地(ゾゾゾ/フェイクドキュメンタリー「Q」) この時代にまた一つとても危険な作品が生まれてしまった。ヒリヒリと皮膚を刺す様な穏やかな緊張感を終始張り巡らせ、この作品は優しくしかし確かに現実を蝕んでいく。 『カウンセラー』コメント 黒沢清(映画監督) 40分ちょっとの中編だが、 これは凄い!近年最も不気味な映画と言っていいだろう。 全ての画面に恐怖と錯乱が張り付き、見ているこっちまで気が変になりそうだ。 清水崇(映画監督) かなり久々に“ヤバいもの”を観てしまった…… 脚本、構成、場所、キャスト、間合い、画、音響、全てに不安が張り詰め、 薄気味悪い空気が満ち満ちてくる── かなり久々に“ヤバいもの”を観てしまっ…あれ? ……気がしただけ?……マズい、憑り込まれる。 酒井善三監督、、、、凄い才能だ!ぎっちり憑り組まれた長編が観たい。 スタッフコメント 酒井善三(監督) 40分ちょっとの中編だが、 これは凄い!近年最も不気味な映画と言っていいだろう。 全ての画面に恐怖と錯乱が張り付き、見ているこっちまで気が変になりそうだ。 大森時生(テレビ東京/プロデューサー) 僕は「不安」が好きです。併せてご覧いただくことで、より不安になれると思います。
リアルサウンド編集部