サトシ・ナカモトがビットコインについて正しく予測した5つのこと
ビットコイン(BTC)の生みの親であるサトシ・ナカモトと、知られている中で彼の最も古いコラボレーターであるマルティ・マルミ(Martti Malmi)氏との間で交わされたやり取りが、サトシの正体に関してイギリスで進行中の裁判の一環として公開された。 この文書は、サトシの正体を突き止めようとする人々にとって新たな研究材料となる。また、120ページに及ぶメール(Githubにも投稿されている)は、長らく行方がわからなくなっているサトシの性格や人となりについて新鮮な洞察を与えてくれる。 ビットコインの歴史家(そしてCoinDeskの元編集者)ピート・リッツォ(Pete Rizzo)氏が指摘するように、これらのメールは、2009年から2011年にかけてBitcoinTalkなどの掲示板やCryptographyといったメーリングリストに積極的に参加し、正式なホワイトペーパーに自分の考えをまとめたサトシについて、世界がすでに知っていることにほぼ合致し、それを裏付けるものだ。 しかし、サトシが初期のビットコイン開発者を支援しようとしたこと、ビットコインのユースケースを開発することへの不安、ブロックサイズやエネルギー消費量をめぐる議論など、ビットコインの発展を決定づけたいくつかの大きな議論を予見していたことなど、文書公開を通じて新たな情報も明らかになった。 以下、サトシ・ナカモトがプロジェクトから離れる前にビットコインについて予測した5つのことを見ていこう。
エネルギー論議
ビットコインを支えるアルゴリズムであるプルーフ・オブ・ワーク(PoW)は、設計上、基本的に無駄の多いプロセスだ。サトシの時代でさえ、ビットコインが成功した場合、ネットワークの安全性を確保するためのハッシュパワー(=計算能力)が膨大になることに人々は気づいていた。 サトシはこの議論を予測しており、批判的な人たちに対して「経済的自由と自然保護のどちらかを選ばなければならなくなるとしたら、皮肉なことだ」と書いている。 サトシはマルミ氏へのメッセージの中で、最初の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインに先立つ中央集権的な電子マネーの試みとは異なり、ビットコインは「信頼できる第三者が存在しない」、真の意味でのピア・ツー・ピアにしかなり得ないと指摘している。 「もしビットコインが大きなエネルギーを消費するようになったとしても、ビットコインが取って代わる、労働力と資源を大量に消費する従来の銀行業務よりは無駄が少ないだろう」とサトシは書いている。 実際、ギャラクシー・リサーチ(Galaxy Research)は、世界の銀行システムが年間263テラワット時、つまりビットコインネットワークの2倍のエネルギーを消費しているというレポートを発表している。