1年の感謝を込めて、クリスマスに贈りたい。12月のブーケ&アレンジメント
藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい!
「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。 ブーケ&アレンジメントのバリエーション9点とそれぞれの解説を見る
12月の花「クリスマスの贈り花」
藤野幸信/Yukinobu Fujino 広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「フルール トレモロ」オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。著書『大切な人への贈り花』も好評。
コニファーが加わるとぐっとクリスマスの雰囲気に
12月の上旬には贈り花のオーダーをたくさんいただきます。一年の感謝を込めたギフトに花を選ぶ方が増えていること、とてもうれしく感じています。お歳暮として、クリスマスプレゼントとして、また、ご自宅のクリスマスの演出に……。 制作する際には、クリスマスの雰囲気がまっすぐ伝わるように、赤×緑色の花色合わせをよく利用します。赤い花でとくにおすすめなのがバラで、この時期には気品のある美しい赤の品種が豊富に出揃います。 クリスマスの雰囲気を伝えるのに効果的なのが、コニファーです。コニファーとは常緑性の針葉樹の総称で、モミの木もコニファーの一種です。クリスマスリースにもよく利用しますが、贈り花でリースをというオーダーも多くいただきます。フレッシュのコニファーには爽やかな香りがあり、コニファーをたくさん仕入れたこの時期の店内は、森をイメージさせる香りに包まれて心地よいものです。 コニファーにもいろいろな種類がありますが、切り花としてよく出回るのが‘ブルーアイス’という品種や、ヒムロスギという別名でも知られるサツマスギです。針のような繊細な葉形も、少し青みがかったシルバーの葉色もクリスマスを連想させ、これを加えただけでぐっとクリスマスっぽい贈り花に仕上がります。 赤×緑色にこだわる必要はなく、贈る方のイメージに合わせ、ホワイトクリスマス、ブルークリスマス、パステルカラーのクリスマスなど、自由に選んでいただければと思います。どんな花色合わせでも、コニファーやダスティミラーなどのシルバーリーフを加えれば、この時期の贈り花にふさわしいクールでエレガントな雰囲気が生まれます。そう考えると、リーフの使い方がポイントになる、とあらためて痛感させられます。