“薄毛”で悩む高校生…10代で発症も珍しくない「若年性AGA」、美意識や認知の変化で相談が増加
■なぜ若くして発症? 遺伝はあれどもいまだ原因は不明
AGA発症の要因は、男性ホルモン(テストステロン)と5αリダクターゼという酵素が結びつくことで生成される、DHT(ジヒドロテストステロン)という物質によるもの。DHTが髪の毛の毛根にある毛乳頭の受容体に結合すると、髪の毛の成長期が短くなり、成長サイクルが通常よりも短縮され、「細く、短く、抜けやすい」髪の毛となる。そのため、成長期でテストステロンの分泌量が増え始める高校生の時期から、AGAを引き起こすこともおかしくはないということだ。 「とはいえ、実は若くしてAGAを発症する理由については、まだ原因不明なんです。遺伝的なものはあるかもしれませんが…。ほかに考えられる要因は、ストレス、環境の変化などで起こるホルモンバランスの崩れ。女性でも、女性ホルモンの乱れなどから20代前半で発症する方がいます。特に産後は抜け毛が増えますが、それが止まらないとなるとやはり女性AGAの可能性を考えたほうが良さそうです」 ■“毛根”が残っていれば早期治療で改善も、「一度始まると自然に治ることはありません」 思春期はホルモンバランスが崩れやすく、皮脂の分泌量も過剰となり頭皮がべたつきやすくなる。皮脂が毛穴をふさいでしまうと、細く抜けやすい毛が生えてくるようになる。シャンプーなどで「爪を立てて洗うのではなく、指の腹でマッサージするようにして洗う」というのが頭皮のケアとしては重要とのこと。 また、ストレスや睡眠不足による頭皮の緊張、血行不良も薄毛の原因に。髪の毛の成長に必要な栄養は、頭皮の毛細血管から血液を通して髪の毛に送られる。そのため、血行不良を引き起こすと栄養が行きわたらなくなり、髪の毛がやせ細って抜けやすくなることもあるそうだ。 「40~50代などの脱毛症と比べ、若年性の場合は早期に治療を開始することで薄毛を食い止めることができます。でも、そのためには“毛根”が残っていることが大前提。保険適用外ではありますが、気にしているようであれば早めに医師に相談し、もしAGAであれば薬を服用されることをお勧めします。若年性も一般のAGAと同じで、一度始まると自然に治ることはありません」