加藤学園「夢舞台」へ 挑戦者、立ち向かう(その2止) /静岡
<センバツ高校野球> ◇全員で思い切りよく 県、東海大会8試合のうち4試合で、1点差の接戦を制した。東海大会準々決勝の近大高専(三重)戦では、延長十回に杉本敏二塁手(2年)が三塁からヘッドスライディングで本盗を決め勝ち越し。「失敗を恐れず、全員で思い切りよく戦う」。そんな米山学監督(41)の方針を象徴する試合となり、初めて「東海4強」入りを果たした。 打線では、大村善将遊撃手(2年)、杉山尊三塁手(同)が主軸を担う。静岡商と対戦した県大会準決勝、2点を追う八回に大村遊撃手が逆転の3点本塁打を放ち、勝負強さを見せた。杉山三塁手はチーム最高の打率3割9分を誇る。植田颯斗左翼手(1年)は、東海大会準決勝の県岐阜商戦(岐阜)で2点本塁打を放つなど長打力が光る。 右腕・肥沼(こいぬま)竣投手(2年)はピンチにも動じない冷静なピッチングで、県、東海大会の全試合を完投した。雨宮快成捕手は、1年生ながら巧みなリードで肥沼投手の良さを引き出す。県大会では過去に甲子園に出場した常葉大菊川、静岡、静岡商をいずれも4点以下に抑えた。県岐阜商に延長十回にサヨナラ負けを喫したが、甲子園常連の強豪校に力投した肥沼投手は「大きな経験になった」と話す。 東海地区のセンバツ出場枠は2枠のため、県岐阜商に敗れたことでセンバツの夢は絶たれたかに思われた。だが、明治神宮大会で中京大中京(愛知)が優勝して出場枠が一つ増えて3枠となり、出場権を得た。米山監督は「負けた悔しさを忘れず、チャレンジャーとしてチーム全員で立ち向かう」と話す。【池田由莉矢】 ◇96年創部 OBに西武・高橋選手ら 加藤学園高校は沼津市大岡にある私立高校。学科は全日制の普通科のみで、特進部、進学部、総合学部に分かれる。生徒数は特進部261人、進学部671人、総合学部438人の計1370人。「カトガク」の愛称で地域に親しまれている。 1926年創設の沼津淑徳女学院が沼津女子高校などに名称を変え、77年から現校名。校訓は「至誠」で、誠実で品位ある人間づくりを目指す。 野球部は96年創部。現在の部員は37人で、OBに西武ライオンズの高橋朋己選手ら。陸上競技部やサッカー部などが全国大会の出場経験を持つ。卒業生に、青山学院大時代に2016年から3年連続で箱根駅伝8区の区間賞を獲得した下田裕太選手(GMOアスリーツ)。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇◆昨秋の戦績◆ 【東部地区大会】 2回戦 8月12日 ○11―0伊豆総合 3回戦 17日 ○2―1富士宮北 準々決勝 25日 ○9―1飛龍 準決勝 9月 1日 ●1―5沼津東 3位決定戦 7日 ○7―3沼津商 【県大会】 1回戦 9月14日 ○5―0島田商 2回戦 15日 ○5―4常葉大菊川 準々決勝 21日 ○5―4静岡 準決勝 22日 ○3―2静岡商 決勝 28日 ●4―5藤枝明誠 【東海大会】 1回戦 10月26日 ○6―1大垣西 2回戦 27日 ○5―4近大高専 準決勝 11月 2日 ●3―4県岐阜商 =13戦10勝3敗 ……………………………………………………………………………………………………… ◇◆加藤学園の選手とマネジャー◆ 【選手】 大村善将2内 杉本敏2内 山岸蓮2外 加藤健太郎2投 法月拓2内 杉山尊2内 磯貝偲斗2投 肥沼竣2投 勝又友則2内 森田悠希2内 浅野勇輝2捕 菊間右響2外 杉本周陽2捕 竹内勇斗2外 本田啓太2外 野極友太朗2内 吉村海音1投 植田颯斗1外 平尾勝多1外 飯塚健太1捕 佐野陸斗1外 岩間昂生1投 大谷正和1捕 吉田光輝1内 内田歩希1外 雨宮快成1捕 稲葉悠1外 樋口巧1投 鈴木翔太1内 杉本陽哉1外 宮崎新那1内 仲川大翔1外 渡辺翔太1内 安間賢文1内 【マネジャー】 清水紅宇2 山崎聖莉那2 渡辺華実1 ※名前、学年、守備位置の順