熱帯雨林で猛暑、サルが木から落ちて死ぬ事例が相次ぐ メキシコ
メキシコ全土で干ばつと熱波に見舞われており、南東部の熱帯雨林では、絶滅の危機に瀕しているホエザルが暑さのあまり木から落ちて死んでいるのが相次いで見つかっている。 今週、最高気温が45度を超えると予想されているタバスコ州では、地元メディアが最大85匹が死んだと伝えている。地元当局も死ぬサルが相次いでいることを認めたが、何頭が死んだかは明らかにしていない。 メキシコの生物学者 「われわれは83頭の死んだサルを標本として登録した。大人のメスが多く死んだため、孤児になった子ザルも多い。しかし何とか生き残った子もいる。それが、この暑さでこの種のサルが次々と死んでいることによって引き起こされている問題だ。気温は51度に達した。この野生生物は、水不足で苦しんでいる」 タバスコ州の森林では、ボランティアが高温のため死んだマントホエザルを回収し、被害の拡大を食い止めるため水と果物の入ったバケツを置いていた。 マントホエザルは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に分類されている。 メキシコ環境省は20日発表の声明で、サルの死は「熱中症や脱水症状、栄養失調、農業用の有毒な農薬散布」など複数の原因が考えられるとしたうえで、今後対策を取っていく考えを示した。