激怒して包丁やハサミを持ち出す…気性が荒すぎる妻、夫が明かした「衝撃の夫婦生活」
妻は境界性人格障害でしょうか
読者はこれを読んでどう感じるだろうか。こんなひどい妻がいるものかと驚くかもしれない。しかし、夫婦問題の相談の現場では、男性からこういった相談を受けることが少なくない。そして、こういう相談を受ける際に夫の口から聞かれるのが「妻は境界性人格障害でしょうか」という言葉だ。 境界性人格障害は男女比が1対3程度と書かれていることが多く、境界性人格障害の夫を持つ妻もある程度いるはずではある。ただ、男性側が境界性人格障害の場合、妻は、夫の激しい気性や束縛をDVと結びつけることが多い。一方で、男性はまさか自分が女性である妻からDVをされるとは思っていないケースが多く、しかし、妻に振り回される生活の苦しさから色々と調べているうちに「妻は境界性人格障害なのではないか」という可能性にたどりつくようだ。
見捨てられ不安と自傷行為
人格障害は、単なる性格傾向ではなく、認知の歪みや対人関係の持ち方が不適切である結果、本人が苦痛を感じたり日常生活に支障をきたしたりしている場合に診断される。境界性人格障害のほかに、自己愛性人格障害や反社会性人格障害などがあり、聞いたことがある読者もいるかもしれない。 境界性人格障害は、激しい感情の起伏や見捨てられ不安、自傷行為(試し行動)や怒りなどを特徴とする人格障害である。Aさんの妻は、まさにこうした特徴がみられる。
華やかで目立つ存在の人が多い
こんな大変な妻とどうして結婚してしまったのかと思うかもしれないが、交際しているときは、多少嫉妬深かったり、束縛が強かったりしても、求められて嫌な気はしない。それに、「すぐ会いたい。5分以内にきて。寂しくて死にそう」なんて言われると、「守ってあげたい」、「僕がいないとだめな人」といった印象を持たせるのだ。 加えて、境界性人格障害の女性は、華やかで目立つ存在の人が多い。そして、個性的でエネルギーが高く、何だか人を惹きつけるのだ。そのため、こうした傾向のある妻と結びついてしまうなんて、何て弱い夫なのだと思うかもしれないが、Aさんのように社会的地位や収入が高い人も多い。 記事後編は「『死んだ方がマシ』とベランダに出て行く妻…境界性人格障害の妻との離婚、訪れた壮絶な『修羅場』」から。
小泉 道子(家族のためのADRセンター代表、臨床心理士)