藤井聡太棋聖、永世称号獲得から一夜明け会見 6・20敗戦後、前髪切ってサッパリと叡王陥落ショック吹っ切った
将棋の藤井聡太棋聖(21)=7冠=が棋聖戦5連覇から一夜明けた2日、名古屋市内で会見し、史上最年少の21歳11カ月で永世称号の資格を得た心境などを改めて明かした。6月20日に叡王位を失冠した後、散髪し足袋も変えてリフレッシュして1日の対局に臨んだ藤井棋聖は、永世称号を持つ他の名棋士と同様に長期にわたって活躍したいとの決意を表明した。 対局の緊張感から一転、穏やかな表情でマイクを握った藤井棋聖。午前9時半からの会見は紺色のスーツ姿で臨み、前日1日の夜について「対局を振り返ったため普段ほどではありませんが…しっかり休めました」と熱戦の余韻を明かした。 2連勝で迎えた「ヒューリック杯第95期棋聖戦五番勝負」(主催・産経新聞社、特別協賛・ヒューリック)の第3局は、地元の愛知対局。山崎隆之八段(43)の挑戦を退け、自身初の永世称号となる「永世棋聖」の資格を獲得した。師匠の杉本昌隆八段(55)からも祝福のメールがあり、「(終局の)時間も遅かったので、簡潔に『おめでとう』という内容だった」という。 今回は6月20日に叡王戦第5局で失冠以降、初の対局。その後、「伸びてきて目にかかるようになった」ため、美容院で散髪した。叡王戦第5局の際は目元付近の髪を触るしぐさもみられたが、今回は〝視界良好〟もあって快挙を達成。ヘアスタイルについては「こだわりはなく、(美容院に)お任せです」。 1日の対局時に着用した足袋は、白地に赤いカニのイラストが入ったものだった。普段は無地が多いといい、気持ちを切り替える工夫もかいま見えた。 永世称号の資格獲得者は故大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人(76)、羽生善治九段(53)ら大棋士ばかり。今後について「実力を高めるのが一番の目標。その上で(称号を)獲得された方と同じように長期間にわたって活躍したい」と力を込めた。 早くも6、7日には王位戦七番勝負が開幕。こちらも5連覇で永世王位を目指す。「いろいろと準備をしたい」と気を引き締めていた。(山内倫貴) ★多忙!名古屋→東京へ 棋王就位式に出席
名古屋市での一夜明け会見を終えた藤井棋聖は東京へ向かい、午後5時から都内ホテルで開かれた第49期棋王の就位式に出席する多忙ぶり。今年2~3月の棋王戦五番勝負で初防衛を果たしており、この日は同じ愛知県瀬戸市出身の女優、瀬戸朝香(47)が祝福に駆けつけた。「棋王と私は同郷のよしみ。本当にこの日を待ち望んでおりました」と初対面に感激の瀬戸に対し、藤井棋王は「瀬戸市出身で良かったと改めて思いました」と笑みを浮かべた。