電話口から漏れる感情ないしゃべり方に「違和感覚えた」 高齢者を詐欺から救った2人の勇気
ATMコーナーに居合わせた2人の連携で特殊詐欺を未然に防いだとして広島県警安芸高田署は13日、広島県安芸高田市吉田町の会社員早川歩さん(39)と同県東広島市八本松町の保育士神笠涼子さん(62)に感謝状を贈った。銀行員を装い、70代男性を狙った年金の還付名目の詐欺だった。 【グラフで見る】特殊詐欺、直近10年で最多 同署などによると1月17日、2人は吉田町内の商業施設のATMを利用後、携帯電話のスピーカー機能を使って操作する男性に気付いた。2人は初対面だったが顔を見合わせ「何かおかしいですね」。詐欺を疑い、せかされている様子の男性に声をかけた。男性はそのまま続けようとしたが、1人は店内の警備員を呼びもう1人は110番し、操作を止めさせた。 同署で梅木一彦署長から感謝状を受け取った早川さんは「電話口から聞こえた感情のないしゃべり方や操作を急がせる内容に違和感を覚えた」と振り返った。神笠さんは「こんな身近にあるとは…。勇気を出して声かけして良かった」と表情を緩めた。
中国新聞社