トッズが新たなCEOを任命 シャネルの前経営幹部
トッズ・グループ(TOD’S GROUP以下、トッズ)は、新たな最高経営責任者(CEO)として、シャネル・インク(CHANEL INC.)で社長兼最高執行責任者(COO)を務めていたジョン・ギャランティック(John Galantic)を任命した。創業家出身のディエゴ・デッラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)会長兼CEOは会長職に専念し、その弟であるアンドレア・デッラ・ヴァッレ(Andrea Della Valle)副会長も続投する。 【画像】トッズが新たなCEOを任命 シャネルの前経営幹部
ギャランティック新CEOは、ハーバード大学経営大学院を卒業。製薬会社スミスクライン・ビーチャム(SMITHKLINE BEECHAM、現グラクソ・スミスクライン)やプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)で要職を歴任した後、米化粧品大手コティ(COTY)北米事業の社長に就任した。2006年に社長兼COOとしてシャネル・インクに加わり、17年からはECなどを統括するグローバルデジタルサービス部門の要職も兼任。23年6月に退任した。なお、同氏はフェラーリ S.p.A.(FERRARI S.p.A.)とバカルディ(BACARDI)の社外取締役も務めている。
トッズは、「ギャランティック新CEOはラグジュアリー分野で豊富な経験があり、特にブランド構築の手腕に優れている。これまでの経験を生かし、当社のグローバルな成長をさらに推進してくれるだろう」とコメントした。
5月にはLVMH系の投資会社と組んで非公開化
トッズは、2月に株式の非公開化を進める方針を明らかに。LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)系の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)が保有するプライベートファンドが設立した新会社クラウン・ビッドコー(CROWN BIDCO)が、創業一族との合意に基づいて公開買付を実施。最終的にクラウン・ビッドコーが株式の27.9%を、少数株主のLキャタルトンが7.9%を保有し、創業一族は引き続き筆頭株主として株式の54%を、以前からの少数株主であるLVMHの完全子会社デルフィーヌS.A.S.(DELPHINE S.A.S.)は10%を保有し続けることとなった。トッズはミラノ証券取引所に上場していたが、これに伴い、8日の17:30(現地時間)に上場廃止となっている。