バレー・プレミアリーグ男女 サントリーと久光が準優勝
サントリー・金子隆行、鈴木寛史両選手のコメント THE PAGE大阪
バレーボール・プレミアリーグ男女の優勝決定戦が東京体育館で行われ、男子はJTが初優勝、女子はNECが10シーズンぶり5回目の優勝を果たした。関西を活動拠点とするサントリー(ホームタウン:大阪府箕面市)と久光製薬(サブホームタウン:兵庫県神戸市)はともに準優勝。久光製薬は3連覇ならず、サントリーは昨季6位から順位を上げた。
鈴木寛史「内容的にも悔しい結果」
5日に行われた男子のファイナル。レギュラーラウンドの上位6チームによる「ファイナル6」を1位通過した昨季準優勝のJTと「ファイナル3」で豊田合成を下し、優勝決定戦に進んだサントリーとの決戦は第一セットから激しい接戦に。 サントリーはスタートから動きよく、「いい意味でサントリーの形が出ないように頭を使った」とセッターの阿部裕太が話したように、エースのエバンドロで押しながらもエバンドロに上げそうな場面であえてミドル(センター線)を使う“裏切り”作戦も当たった。リズムよく点をとり、18-16と抜けかけた。しかしそこでミスを出してしまい、逆にJTが越川優の強打などで連続得点、先にセットポイントを握られた。だが、JTヴィソットがサーブミス、24-24のジュースとなった。 そこからが、ものすごい激戦だった。ともに一歩も譲らず、39-39まで点を取り合う展開に。しかし、サントリーが痛恨のミス。大事な1セット目を奪うことができなかった。 そのセットを競り負けたサントリーは気持ちが切れてしまったかのよう……。しだいにミスが多くなり、徐々にJTペース。第3セットは相手エースのヴィソットに3連続サービスエースを決められるなどで崩され、JTにストレートで敗れた。 「きょうは自分たちのバレーができず、内容的にも悔しい結果となりました」と今季ブロック賞を獲得した鈴木寛史は悔しさをにじませた。
「戦う姿勢」が見えたサントリー
それでも元ブラジル代表でかつてスーパーエースとしてVリーグ5連覇に導いたジルソン・ベルナルド監督を招聘した今季、サントリーは明らかに変わった。スピリッツあふれる熱いバレーを目指し、チームとしてのまとまりも強くなった。 「戦う姿勢」が見えた。それはレギュラーラウンドで10連勝するなど結果に現れた。「ファイナル6」初戦でレギュラーラウンドですべて3-0で勝っていた堺にまさかのストレート負け。しかしその苦境も「諦めない」気持ちで乗り切り、ファイナルに上がってきた。 「優勝監督になるのはまだ早いです」とファイナルを前にジルソン監督は冗談ぽく謙遜していたが、手ごたえは十分あったはずだ。「自分新米監督。この(ファイナルという)機会をいただいて感謝の気持ちでいっぱいです。選手は僕の心を信じて頑張ってくれた。また次に向かってチャレンジしていきたい」と試合後、来季へ向けそう話した。 「準優勝は悔しいが、昨年の6位からここまでこられたのは成長の証。ジルソン監督になって戦う姿勢を教えてもらった。次は優勝できるよう頑張っていきたい。まずは黒鷲旗(5月・大阪)で新たなサントリーサンバーズのバレーを目指し、来季につながるいい戦いをしたいです」とウイングスパイカーの金子隆行は、もう一つ上のリーグ優勝を見据えて、そう言い切った。