【陸上】堂々たる3連覇飾った廣中璃梨佳 「もっとスピードを磨いて5000m、10000mとも標準突破を」/日本選手権10000m
◇第107回日本選手権10000m(12月10日 東京・国立競技場) 第107回日本選手権10000mが行われ、廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が30分55秒29で3連覇を飾った。 日本選手権10000m男女全成績をチェック! 今夏のブダペスト世界選手権で、21年東京五輪に続く7位入賞を果たし、パリ五輪参加標準記録の30分40秒00を突破すれば、順位に関係なく2大会連続の五輪代表に内定する立場にあった。その中でテーマにしたのが、ラスト5000mだったという。 「30分40秒00は意識しつつも、最初に突っ込むよりもペースを借りつつ、残りの5000mに重きを置きました」 22年のオレゴン、ブダペストとともに世界選手権に出場した五島莉乃、高島由香(ともに資生堂)、小海遥(第一生命グループ)との先頭争いから、5000mで抜け出したのはその狙いがあったから。 11月26日のクイーンズ駅伝(3区10.6km)、翌週の日体大長距離競技会5000mと、3週連続レースの中で、万全の仕上がりとはいかなかったのか、ここで勝負を決めるまでには至らない。 それでも、最後までもつれた優勝争いを、残り200mからのスパートで決着させたのは、さすがは世界の入賞者と言える。今大会での五輪代表即時内定は得られなかったが、「今季ベストの30分台を出せて良かったです」と汗をぬぐった。 勢いに乗って入賞を果たした東京五輪のあと、ケガなども重なって順調にきたわけではない。今季もアキレス腱を痛めて出遅れている。だが、夏に向けて見事にピークを合わせ、ブダペストではラスト1周まで先頭集団に食い下がった。 今、「スピード持久力とスタミナはついてきた」という手応えがある。世界との戦いを見据え、課題は明確だ。 「もっとスピードを磨いていきたい」 ブダペストや今回の結果から、ワールドランキングでの出場は十分視野に入るが、「レースを見極めながら、5000mでも10000mでも標準を狙っていきたい」と意欲的だ。 世界とのラスト1周でさらなる上位へ。パリ五輪への道筋が、はっきりと見えている。
月陸編集部