失職した父のせいで見知らぬ男の妻に…“妾”にならなかった女の酷な行末|NHK大河『光る君へ』
道長のことは愛している。でも、妾にはなれない。 ある意味、大きな決断をし、その想いを告げたまひろだったが、想いは募るばかり。それは道長も同じだ。 【画像を見る】名脇役!意外すぎる、まひろの縁談相手は? 揺れるまひろ、妾になるのか、それとも……初恋のひとつのピリオドに注目する。
妾ってどうなの?
前回、道長(柄本佑)から妾になる話を持ちかけられたまひろ(吉高由里子)。 やはりあの日のことが頭からチラついて離れない。少なからず、迷いと葛藤があるのだろう。 そんな中で見られるのは道長目線とまひろ目線からの「妾」だ。 まひろの父にも妾がいた。彼女は余命幾許もなく、父が寄り添っていた。 その様子はとても悲しく、それでいて愛がある。父に大切にされている妾の様子を見ていると、「妾」も悪くないかもしれない、とまひろが思っても仕方がないかもしれない。 一方、道長からは道綱(上地雄輔)から妾の話を聞く。道綱は兼家の妾・藤原寧子(財前直見)の息子だ。道長にとっては異母兄に当たる。 北の方は一緒に暮らしているが、妾はいつ来るかわからない男を待たなければならない。想像してみても、確かにイヤだ。 そして男側がちゃんと愛している、愛に釣り合うだけのことをしている、と思っていても、女のほうがそれを実感できているかというと怪しい。 だって、一緒にいる時間は圧倒的に北の方のほうが長い。どうしたって、会っているときよりも待っている時間のほうが長い。それだけで、寂しいし苦しいのだ。
まひろに持ち込まれる結婚話
為時(岸谷五朗)が職を失ったことで、まひろたちの生活は苦しくなる。 そこで動いていたのが宣孝(佐々木蔵之介)だ。宣孝がまひろに勧めたのは藤原実資(秋山竜次)。学識も人望も財もあって申し分のない人物だと言う。実資か……意外なところが来たな、などと思っていると、折しも赤痢にかかってしまった実資。 宣孝は早速、別の相手を探すと言うが、まひろは乗り気ではない。しかし、宣孝は「甘えるな」と一喝。霞を食って生きていけると思っているのか、と。生きていくためには、知らない男の妻にならないといけない――。 なんだか、あまりにも、あまりにもだ。 それならば、妾とは言え、好きな人の妾になったほうが良いのでは? と考えるのは当然のことではないだろうか。 周りの状況によって揺れ動くまひろの心のブレが愛おしくも感じる。理想も志もあるけれど、好きな人に心が揺れているのは、なんとも人間らしい。 それにしても、婿探しをしているのが、まひろの未来の夫となるのは宣孝だ。一体、ここからどうやってそんな話になるのか……。