井浦新、キャリアを重ねていく中で変化した作品選びのポイント 『アンメット』撮影秘話も
井浦新「キャリアを重ねていく中で、“選ばない選び方”をやっていくようになった」
ーー1月期の『おっさんずラブ-リターンズ-』に続き、2クール連続のドラマ出演となります。若葉さんと同じように井浦さんもかつては“映画俳優”というイメージがあったのですが、ここ数年は積極的にテレビドラマにも出演されている印象です。 井浦:作品選びに関しては、信頼している事務所のマネージャーに委ねているところが大きくて。ただ、デビューしてからもう25年近く経つんですが、デビューしてから10数年は自分が出る作品をものすごく慎重に選んでいました。それで学んだことだったり、もちろん失敗したこともたくさんあって……いま振り返ると、当時はしっかり選んでいかないと、自分自身やっていられなかったんだと思います。それからキャリアを重ねていく中で、“選ばない選び方”をやっていくようになったんです。 ーーあえて作品を選ばないと。 井浦:それが俳優としての自分へのチャレンジのようで、手応えを感じるようになっていったんです。昔は自分自身がどんな俳優なのか、自分にどんな芝居ができるのかをわかっていなかったですし、いいオファーをいただいても、興味がない作品だったらそれだけで断ったり、「いまの自分にできるわけがない」と思って断ったりもしていましたから。それで自分を守ることもできてはいたんですが、失敗を経験しないと成長はしないものなので。いまとなっては、映画にしてもドラマにしても、「井浦新にこういう芝居をやらせたい」と思ってオファーをしていただけるようになったのかなと。いまは自分で選ぶことよりも、ご縁を紡いでいくことのほうが大事だと思っています。 ーー映画もドラマも隔てなく出演され続けているのにはそういう理由があったんですね。 井浦:いまは映画をやって、次はドラマをやって……というようにバランスを取りながらやっているわけではなくて、この10年くらいは単純にオファーを受けた順にひとつずつやっている感じです。俳優の仕事って、もちろん自分に何ができるかが大事ですが、それと同じくらいご縁が大切だと思うんです。今回の『アンメット』も、米田プロデューサーからお声がけいただいて、素敵な作品に出演することができたので。そうやってひとつひとつ縁を紡いでいくことがいろんな出会いにつながっていきますし、それが挑戦にもなっていくんだと思います。
宮川翔