昨日まで聞こえていたのに、急に片方の耳が聞こえなくなった! 多くの芸能人も悩む 「突発性難聴」にならないための5つの生活習慣
先日、人気お笑いコンビ・シソンヌの長谷川忍さん、NHK紅白歌合戦にも出場したバンド「Mrs. GREEN APPLE」のボーカル大森元貴さんが、立て続けに突発性難聴であることを発表した。突然、耳が聞こえなくなる「突発性難聴」とはどんな病気なのか、その原因や治療法について、きたにし耳鼻咽喉科の院長、北西剛先生が解説する。 【画像】耳の構造
昨日までは平気だったのに、突然、片方の耳が聞こえなくなる
突発性難聴はその名の通り、左右どちらかの耳(両方ということもあります)が突然聞こえなくなる疾患です。 幅広い年代で起こりますが、特に40歳~60歳の世代に多く見られます。前日までは聞こえていたのに、朝、テレビや電話の音が急に聞こえなくなって初めて症状に気が付くという場合が多いようです。 また、耳が聞こえなくなる症状に前後して、耳が詰まった感じがする、耳鳴りがひどい、めまいや吐き気などを伴うケースもあります。 そもそも耳は、外耳・中耳・内耳の3つの構造できています。音は外耳から入り、中耳にある鼓膜を振動させます。その振動は耳小骨の振動となり、内耳にある蝸牛(かぎゅう)に伝わります。蝸牛にあるリンパ液、有毛細胞が電気信号に変換され、脳神経を経て脳に音として認識させることで、私たちは音を聞くことができるのです。 難聴は、この音が伝わる経路のどこかで障害が起こることで、耳が聞こえなくなる症状です。 突発性難聴の場合、内耳にある蝸牛の障害によって起こる感音難聴に区分されています。そのため、突発性難聴の原因は音を感じ取って脳に伝える役割をしている有毛細胞が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまう、もしくはウイルス感染や有毛細胞に血液を送っているときに生じる循環障害によって起こるという説があります。いずれにしても、はっきりした原因はいまだ明らかになっていません。 ですが発症前に、仕事や家事などによる過労や寝不足、周囲とのトラブル、ストレスを抱えていたケースが多く見られます。耳はストレス、環境変化などに弱く、影響を受けやすい器官なのです。 いずれもはっきりしたエビデンスはありませんが、近年のストレス社会、電磁波環境の悪化、就寝前にスマホを見ることで交感神経の刺激が強まり、睡眠負債に陥ったり、体が適応できないほどに激変する気候変動・気圧変動などが主な要因となっていると思われます。 さらにストレスや不規則な生活によって血液循環や免疫力が低下することも、難聴の引き金となっているとも言われていて、誰にでも起こり得る可能性がある疾患と言えます。