公開スパーリングで相手をコーナーに追い詰める矢吹正道（左）＝名古屋市緑区（撮影・月僧正弥）

プロボクシングのIBF世界ライトフライ級2位の矢吹正道（32）＝LUSH緑＝が25日、名古屋市内の所属ジムでスパーリングを公開した。10月12日に愛知・常滑市の愛知県国際展示場で、同級王者のシベナティ・ノンシンガ（25）＝南アフリカ＝に挑む。 2階級上のWBCユース・スーパーフライ級王者の佐野遥渉（21）＝LUSH＝を力強いパンチで圧倒。6回の予定が5回途中で〝KO寸前〟に追い込んで打ち切りとなるなど順調な仕上がりをアピールした。 矢吹は「雑にならないこと、ジャブと立ち位置を意識した。悪くはなかった」と振り返り、「調子は良すぎるぐらい良い。かならず世界王者になる」と必勝を誓った。視察に訪れていた元世界2階級王者の畑山隆則氏（49）も「最高の仕上がりではないか。ジャブも良いし、スピードもある」と太鼓判を押した。 陣営は今回の試合に向け、計約100回のスパーリングを予定。10月14日に東京・有明アリーナで初防衛戦を控えるWBOスーパーフライ級王者の田中恒成（畑中）とも行ったという。 矢吹は2021年秋に当時WBC王者だった寺地拳四朗（BMB）を10回TKOで破り、世界初挑戦で王座を獲得。翌年3月、寺地とのダイレクトリマッチ（他選手との試合を挟まない再戦）で3回KOで敗れ、陥落した。昨年5月に左アキレス腱（けん）を断裂するアクシデントもあり、世界戦はこのとき以来、2年7カ月ぶりとなる。戦績は矢吹が20戦16勝（15KO）4敗。ノンシンガは14戦13勝（10KO）1敗。試合は元3階級制覇王者の亀田興毅氏（37）がプロモーターを務める「3150×LUSHBOMU　vol．2」のメインとして行われ、インターネットテレビのABEMAで無料生配信される。